かつて、まだ歩兵の主力兵器がボルトアクションだった頃、火力増強のために機関銃というものがあった。ヴィッカーズとかマキシムとかシュヴァルツロゼとかオチキスとかブローニングとか。
これらは、戦闘に一大変化をもたらした・・・弾幕という概念を一新した。ボルトアクションによる薄い弾幕ではなく、連続射撃による厚い弾幕を作り出すことができるようになった。陣地への人海戦術による突撃は、この機関銃によって自殺行為となった(乃木将軍関係とか。乃木坂家の序列第8位アリスティア・レインなら単独でも要塞突入可能とかいう話は又別項で)。
素晴らしい兵器である機関銃だが、一つ無視できない欠点があった。重い。上のMG08とかマキシムとかは、自重60kgを越えていた。故に反動制御がしやすく、水冷システムによって長時間の連続射撃はできるが、それは据え置きで防御に使った場合。攻撃に移動して使うとなると・・・とても機動戦は不可能。
そこで登場したのが、軽機関銃。字のごとく「軽い」機関銃。自重を一気に10kg程度に「落とし」、兵士単独でも装備・運搬・移動・運用できるようにした。すると、今までは機関銃中隊とか機関銃小隊というレベルで編成されて使用されていた機関銃を、分隊単位へ「組み込む」ことができるようになった。「歩兵中隊が機関銃小隊の支援を受ける」のではなく、「個々の歩兵分隊自身が機関銃を持つ」ようになったわけだ。こうした動きは、第1次大戦からの教訓を取り入れた各国で活発になり、第2次大戦では普通にこうした「分隊支援火器」が見られるようになった。
M1ガーランドとBAR
Kar98kとMG34
リーエンフィールドとブレンガン
モシンナガンとデグチャレフ
三八式歩兵銃と九六式軽機関銃
これらの組み合わせは、歩兵分隊に大きな火力を持たせることができた。そのために必要不可欠な条件が「弾薬の統一」である。上の全ての組み合わせで「使用弾薬が小銃と同じ」である、これは重要。「弾がなくなった時に、小銃から融通してもらえる」という意味ではない(機関銃の弾がなくなった頃には、小銃の方もなくなってるしw)。補給態勢の問題だ。某米軍のように、第一線の戦闘部隊以上に補給を大切にする軍隊ならいざ知らず、普通、補給は困難を極めるので、補給が届くということは「何パーセントが届いたのか?」という話になる。10パケットのうち、何パケット届くのか・・・「今回は4パケットのみです」というレベル。機関銃と小銃で弾薬が違っていると、どちらかが届かないという事態もあり得る。小銃と機関銃の弾薬を統一することは、補給の観点から絶対必要不可欠な事項。この点、小銃の弾薬が異なっていた日本(6.5mmと7.7mm)って、いったい・・・。
この当時の分隊支援火器(軽機関銃)は、マガジン形式なので、張ることができる弾幕の密度は知れていた。BARで20発、ブレンと九六式で30発、デグチャレフで47発というマガジン形式だったので、弾幕と言うより、火力ちょっと多め程度なのか?ところが一つだけなんか違うものが混じっている。独逸だ。これだけはベルト給弾。50発用や100発用のマガジンはあるが、これはマガジンと言うより弾薬ケース、基本はベルトだ。ここが「独逸って天才なんじゃないの?」と言われる所以で、彼らは「重機関銃→軽機関銃と重機関銃→万能機関銃」という進化の流れを飛び級でクリアし、重機関銃(MG08)から一気に万能機関銃(MG34)へと至ったわけだ。米相手で精一杯だった某国と違い、米英露と全面ガチ対決して善戦できたわけだ(伊という負の要素もあったがw)。
戦後も分隊支援火器はそのまま継承された。
AK47とRPK
M14とM60
L1A1とL4
L1A1とL7A2
MG3とG3
六四式と六二式
戦前、戦中のガイドラインに従い、「小銃と分隊支援火器の弾薬は共通」である。日本に至っては、両方とも弱装弾対応だ。が、米英と日本は戦中の独逸の万能機関銃に触発され、分隊支援火器ではなく、万能機関銃を採用してきた(独逸は当然、MG42の後継MG3)。ベルト給弾でしかも銃身交換可能なので、「本当の意味で弾幕が張れる昔の重機関銃なみの火力で、分隊に配置して運用できる」夢の分隊支援火器となっている。
が、大勝利に沸く米は、大戦末期に独逸が実戦で示した短小弾薬という未来への道のりを放棄、大戦の延長として.308NATOとM14の道を選び、同盟国に強制した。しかも、その暴挙の影響が収まってもいないのに、ベトナム戦で「長いしw」「重いしw」「無駄に威力有りすぎるしw」という最前線の声に応え、.223とM16を採用、実戦配備してしまった。ベトナム戦中期から末期まで、米は↓こんな組み合わせで戦ったわけだ。
M16とM60
同じ分隊内に、.223と.308の二つの弾薬を供給しなければならないわけで、米の兵站部隊は大変だったろうと思う。・・・が、大変でも不可能ではないのが米のすごいところ。結局、分隊レベルでの不都合はいっぱいあっただろうが、大勢(兵站)に悪影響が出ることもなく、米は.223と.308の二本立てで戦った。さすが物量王国。
その後、やはり分隊レベルへ配置するには弾薬の共通化は重要という事で、M249が採用され、今に至っている。
英国では、L1A1とL4(ブレンのNATO弾仕様)またはL7A2(FN-MAG)の組み合わせで戦後出発し、1982年のフォークランドもこの組み合わせで戦った。が、米国の「NATO弾は.308から.223に替えるべ!」というわがままに従うこととなり、85年にL85が採用された。その際、既存のL7A2もそのまま使われることにはなったものの(さすがにL4=ブレンは退役)、小銃と分隊支援火器の弾薬が異なるという不都合は、英国のような経済小国には荷が重すぎ、L85を小改良してL86の採用に至った。
L85とL86
英国の分隊は8名(分隊長含む。8名という理由は後述)。1分隊につき、2挺のL86が配置されたらしい。通常は1分隊に1挺の分隊支援火器なのだが、L86の場合2挺なのは・・・30連マグの弾幕の薄さ故と思われる。つか、通常ライフル(L85)に毛が生えた程度で、歩兵と全く同じ動き(機動)が可能だから2挺配置しても負担ではないと判断されたのか?・・・いずれにせよ、分隊支援火器という「弾幕を張る道具」としてのありがたみが感じられないしw
歩兵標準の小銃を改造した分隊支援火器は、露西亜のRPKの例がある。が、RPKにはドラムマガジンという弾幕を厚くするオプションがあるが、L86にはそのような選択肢はない。いや、ドラムマガジン自体は、M16用で(民生品で)存在するが、悪いことにL86はブルパップ・・・ドラムマグをつけたら邪魔すぎて使えない(まともに構えられない)しw
バレル交換ができない点については、RPKと同じ。しかし、1回の射撃(切れ目なく弾幕が張れる限界)が、標準の小銃と同じって・・・。BARは20連だったが、その当時の小銃が8連発セミオート(ガーランド)だったから、意味があった。ブレン軽機関銃の場合は、小銃が10連発のボルトアクション、だから30連でも意味があった。デグチャレフに至っては、小銃が5連発のボルトアクションだったのに、47連というマガジン容量を誇っていた。過去の例では、全て「小銃よりも発射速度が速く、弾数が多い」という点で、分隊支援火器は意味があったわけだ。が、L86の場合は、小銃がL85で30連フルオート・・・L86と何も変わらない。正直、数ある分隊支援火器で、L86ほど「位置づけができない」銃はないのではないだろうか。しかも、元々「無駄に重い!」L85、それをさらに上回る重さのL86。回転速度も弾数もL85と同じで、それ以上に重いL86。どうしろと言うのか。どう使えというのか。英国政府は分隊でL86をどうせよと言うのか!!
結局英国はL108A1としてミニミを採用、分隊支援火器の正常化が図られた。一件落着。
L85A2とL108A1(写真は米軍モデル?)
・・・じゃ、L86は?L86はどうなったの?
- 分隊支援火器として使おうとすると、給弾の関係から弾幕としては弾数不足。バレル交換機能がないので、連続射撃は無理・・・さらに弾幕は薄くなる。
- 小銃として一般歩兵が使おうとすると、無駄に重くて無駄に長い。
おいおい、意味ないしw L86居場所がねぇ〜〜〜〜っ!!
近年、マークスマンという新ポジションができたらしい。狙撃手ほどの精度と射距離は求められず、一般歩兵よりは遠距離射撃が求められる、「分隊常駐の狙撃手」だ。現在の分隊は、戦闘効率よりも歩兵戦闘車(または装甲兵員輸送車)の乗車定員によって決められることが多い。機械化が進んだ現在、歩いて行軍することが前提の陸軍は少なく、戦場タクシーこと歩兵戦闘車に乗車して移動、展開、戦闘ということが前提となる。
(2枚とも英国のウォーリアー歩兵戦闘車)
一方、歩兵戦闘車は大きくすると被弾率が上がったり、機動性が失われたりするため、「最適な」大きさとなっている・・・結構小さい。しかもある程度の装甲や火力も必要なので、車内スペースは圧迫される・・・乗車定員はそれほど多くない。米のブラッドレーの場合は、戦闘車要員が2名(運転手、射撃手)、車長(分隊長兼任)が1名、歩兵が6名。車長が降りて降車戦闘に参加したとしても、分隊は7名。英のウォーリアは戦闘車要員が2名(運転手、射撃手)、車長(分隊長兼任)が1名、歩兵が7名、車長が降りて降車戦闘に参加したとしても、分隊は8名。昔のように16名前後という分隊の兵数は、現代では確保できない。すると、(英国の場合)分隊長含めても8名しかいない分隊では、昔よりも大きな火力を兵士個々が担わなければならない。狙撃専用ライフル(ボルトアクション)をもった狙撃手が分隊に配置された場合、狙撃兵1名分の火力は格段に小さくなってしまう(7名分の火力になってしまう)。
(注:画像は本文と関係ありません)
ということで「専任狙撃手ほどの精度と射距離を求めない」とすれば、ボルトアクションである必要はなく、一般の歩兵の小銃を拡張した「普段は一般歩兵と同じ戦闘ができて、しかもある程度遠射が効き、ある程度精度も高い」銃を持った「分隊支援狙撃手」という新職業が定義づけられたわけだ。普通は一般歩兵と同じ戦闘(フルオート可能)をし、必要に応じて一般歩兵の射程外を狙撃できる、これがマークスマンで、その人が手にするのがマークスマン・ライフルである。
(注:画像は本文と関係ありません)
ふぅ。やっとここまでたどり着いたw
で、マークスマンライフルについてであるが、その要件は次のようになる。
- (一般歩兵のライフルよりも)遠射性能に優れていること。
- 通常戦闘距離の戦闘(フルオート)も、一般歩兵と同じようにこなせること。
- 可能な限り、一般歩兵と同じ弾薬を使うこと。
ただ、「狙撃手寄り」と「一般歩兵寄り」の二つの流れがあるようで、「狙撃手寄り」は.308や7.62ラシアン等、一昔前のバトルライフルや汎用機銃と同じ弾薬を使い、「一般歩兵寄り」は.223のように現用歩兵ライフル弾を使っているようだ。
狙撃手寄り(歩兵ライフルと異なる弾薬)
- G3SG-1
- M-14
- ドラグノフSVD
- L1A1
- SR-25 など
一般歩兵寄り(歩兵ライフルと同じ弾薬)
特筆すべきはL86A2が「現用歩兵用ライフルとほとんど変わらない」という事。光学機器が軍用スペックではなくて脆弱だったり、歩兵用ライフルに慣れた歩兵が扱うと不慣れで困る・・・のようなことがない。M16&M4系は、基本のM16A2 or 3があって、その短縮型としてのM4・・・のような展開をしている。AKでもFA-MASでも同様で、「基本形を伸ばしたタイプ」は存在しない。M16A2E3でもSG-1でも、伸ばしてはいない。数多くの不満があるL85ではあるが、一国の(しかも、伝統と歴史がある英国の)採用した歩兵用主力ライフル、脆弱ということはなかろう。光学機器であるSUSATも、ちょっと手荒に扱ったらすぐ壊れる・・・ということはないだろう。まさに「ミリタリー規格」に合格しているはずだ。その頑丈なL85と基本的には何も変わらなくて、でも純正で銃身が伸ばしてあり、L85と同じ頑丈な光学機器(スコープ)がつけてあるL86、世界一頑丈なマークスマンライフルではないだろうか。分隊支援火器としては、あれほど「全然使えねぇ〜!!」野郎だったL86だが、マークスマンライフルとしては「意外と使えるぜ!!」という事では無かろうか。
L86A2は、マークスマンライフルとして最初から作られた、唯一の軍制式ライフルである。(そもそもの作られた経緯とかは追求しないでやってくれw)
上の流れには関係ないが、一応L86にも「分隊支援火器らしい」機能がついていたらしい。それは「セミオートでクローズボルト、フルオートではオープンボルト」という機能だ。これは意外と知られていないようで、1区の熊崎さんはご存じなかった(鉄砲自体に興味がないらしいがw)。FG42が全く同じ構造で、その弟子のM60も同じだ。銃身を最前線で交換できない・・・放熱的に不利というL86やFG42の欠点を、少しでも克服しようとした涙ぐましい努力の結果だ。
分隊支援火器としての使われ方はされなくなったL86A2だが、マークスマンライフルとして使われても、別に何も変更するところはない。故に、「遠射用」であっても、昔ながらの(当初の)使われ方・・・分隊支援火器としてもそのまま使えるL86。分隊内で結構重宝されるのではないだろうか。自分がその分隊にいたら、心強く感じられる。ただ、自分はそんなクソ重いもの持ちたくないw
実銃解説最後に、L85とL86の数字上のスペックを比べてみよう。
|
L85A2 |
L86A2 |
全長 |
785 |
mm |
900 |
mm |
重量(SUSAT、フルロードマグ含む) |
5.0 |
kg |
6.9 |
kg |
初速 |
940 |
m/s |
970 |
m/s |
銃身が長く、全体が重い分、初速もしっかりと速くなっているので・・・安心したw
さて、こんなL86であるが、英国好きな自分は、昔から思ってた(上の表の数字を調べる前の話w)。「M16とM4の中間くらいの長さのL86。これって、遠射は(ある程度)効くし、フルオートで乱射も可能。理想的な一般歩兵用ライフルなのではないのだろうか」。
事実、MMCのL86手にしたら、その予想を実感できた。M4よりは長いがM16よりは短いその長さを「ジャスト!!」と感じたし、そのくせブルパップなので銃身長はM16より長い。さらに標準で光学サイト(SUSAT)もつくし。おお!理想的!!と。
こんな経緯で、次第に「L86、総金属製でほしいなぁ」と思い始め、ブレン軽機関銃手にした時に「総金属製しかないし!!この世は総金属製だし!!」と爆発、金策に成功して手元にARES(旧STAR)のL86が来た。しばらくは大好きな牛丼も喰えないだろうが、我慢だ牛丼。
以前買ったFNCやL1A1と同じSTARの製品。全く同じように黒一色のウレタン緩衝材に包まれたL86。手にした時に、上記「L86は理想的な歩兵用ライフル」という俺の考えは、粉々に砕け散った。
重いしw
計ってみたら、同じSTARの金属SUSATとバッテリー込みで「7kg」。ブレンガンで掲載した重さランキングを、L86込みで再掲載してみる。
L86A2は、ブレンMK-1のように「ちょっと動かすのだって嫌」までは行かないし、バーレットM99のように「動かす時にどこかにぶつけないように」神経を使うほど長くもない。しかし、アーミーアーマメントのL85のように気軽には扱えない。そうか、よく考えたら、元々は分隊支援火器・・・軽機関銃だもんな。一般兵が全員こんなん持ったら・・・みんな戦う前にへばっちゃうなw 4.2kgしかないMMCのL86手にして「理想的な一般歩兵用ライフルだ!!」などとほざいてちゃだめだわなw
表面仕上げは、FNCやL1A1と同じで「半ツヤ有りのセミグロスブラック」塗装。ざらついたつや消し塗装もリアルだと思うが、このセミグロズブラックって奴は「高級感」という点で「有り」だ。表面のデコボコが見あたらないのだが、これはセミグロスだから実感できること。つや消しだと、表面の多少のデコボコはごまかせる。表面処理(塗装前の下処理)に自信がないと、できない芸当(セミグロスだと、表面に周りの光が「映り込む」ので、表面の歪みがよく分かってしまう)。
実射性能は「抜群」。あまりに素直にまっすぐ飛ぶため、心配になって初速計ったら・・・大丈夫、規制内(0.9J)だった。インナーバレル長が約65cmもある。この数字はドラグノフやブレン軽機関銃(もしエアガンでインナーがあったとしたら)と同じ。なのに、全長はストック伸ばしたL119A1よりハイダー分長いだけ・・・やっぱすごいぞブルパップ。ドラグノフやブレン軽機関銃と同じ銃身長って、分隊支援火器にもマークスマンライフルにも、両方に使えるって意味?・・・いや、両方共に「中途半端」とも言えるかw (ドラグノフより弾丸威力と精度で劣って、ブレンより弾丸威力と連射継続性能で劣って)
実射性能でもう一つ付け加えたいのが、ピストン解放ラッチ。慣性で中途半端に留まってしまったピストンを解放して、正常位置(待機位置)に戻すこのラッチ、自分は全ての電動ガンにほしいと思っている。L86A2の場合は、セミ&フルのセレクターレバーがその役割を持つ。上でセミ、下でフルに加え、「一番下」でラッチ解放だ。見た目の変更点もなく、操作に支障もなく、誤操作しても大丈夫な、天才的な組み付け方法だと思う。みんなこの点でARESを讃えてくれ。
ハンドガードが柔らかい素材で、「プラスチック」というより、「ビニール」というのが適しているように感じる素材(さすがにソフビほどは柔らかくないが)。だから剛性が低く、ちょっと違和感がある。ハンドガード上は、左側を支点として上へパカッ!と開く蓋になっているが、これは右側へ板ばねの張力で止めるようになっている。すなわち、常にハンドガードロワ側上端は、左右へ開かれるようにテンションがかかっているわけだ。これがMMCやアーマーアーマメンツの場合、堅いプラスチックのために、左右へ開かれるテンションがかかっても、何も影響がない(堅いプラが全て受け止めている)。ところがARES製は柔らかいプラスチックのため、ロワ側のハンドガード上端に左右へのテンションがかかると、ロワ側ハンドガード上端が左右に膨らみ、全体が歪んでしまう。まぁ、歪むと言ってもほんの数ミリだが、それが銃との接触面に現れると、非常に気になってしまう。事実、ロワ側ハンドガード後端、機関部の前端に接続する部分に耳が出ているが、それが2mmほど銃から離れてしまっている。これは見苦しい。そこで、ちょうどこの耳の下にねじがあるので、長いねじと交換して、耳に穴を開けて共締めにした。これでこの部分が浮き上がることもなく、気にならなくなった。・・・しかしSTARよ。もっと堅い樹脂使ってよね。歪んだハンドガードって、AKとかの世界なら全然問題ないけど、一応大英帝国の銃なので、ある程度のきれいさがほしいわけなんだよね。ちょっと考えてほしい点だ。
バイポッドは、これまたさすがにきっちりと作ってある。が、脚に左右に開くテンションをかけているスプリングが少々弱く感じる。格納状態の時には、脚後端にある爪で、バレル下の金具の穴に止めているわけだが、このときに爪は左右に開くテンションのみでひっかかっているわけで、このテンションが低いので、たまに脚が格納状態から外れる。いつ外れるか分からない脚を気にしながら戦うのはイヤだ。ゲームをしないとは言え、5万レベルの金を出したんだから、こうした簡単に是正できる(バネを一つ強いものと替えるだけ)点は何とかしてほしい。
ハイダーは、STAR製としては珍しい「14mm逆ねじ」。マルイ用に開発された各種ハイダーが楽しめるぞ!!と思ったのも束の間、これほとんど無理と気がついた。ハイダー外すと、その取り付け部分は「バレルにリング状で被さっているバイポッド基部」の後側になる。「バレルにリング状で被さっているバイポッド基部」の内径より小さいハイダーでないと、純正状態(バイポッド基部のリングが装着された状態)では、一般的なハイダーは装着できない。まぁ、純正のハイダーで十分なんだけどね。
今回購入したL86A2は、マークスマンライフルとして購入したので、純正のオープンサイトは論外。ここはひとつ、英国祭の延長として!!と強引に自分を納得させて、同じくSTARのSUSATも買った。詳細はSUSATのレポ見てもらうとして、やっぱりL85系にはSUSATが凄まじく似合う。ほとんど殺人的によく似合う。オープンサイトも結構キュートではあるが、SUSAT装着の姿と比べたら、月とスッポンポン(「月よりきれいなおねいさんのスッポンポンの方がいい」のじゃなくて、「40代男性のスッポンポン」なw)。
ところがここであの凄いお方(tanntann1さん)登場で、「英国陸軍御用達L85用ハンドガードとSUSATのカバー」が手に入ってしまった。この詳細はそちらのレポで見てもらうとして、問題は「このカバーはSUSATつきのL85専用」という点。手持ちのSUSATはMMC製がL85カービンに装着してあって、もう一つが今回買ったARES製、この二つのみ。世界最高にカッチョイイカバーを装着するために、STAR製SUSATをL85の方に装着したら、L86A2はどうすればいいのか。もう一つSTAR製を買うのか?(いや、今は絶対無理)・・・ここで原点に立ち帰る。俺はL86A2をマークスマンライフルとして買った・・・じゃぁ、光学機器はSUSATじゃなくてもよくね?
というわけで、トリジコン(当然パチ)をつけてみた。L86の光学機器装着レイルは汎用の20mmではなく、実測で18.5mmだった。試しにM4につけたたやつをつけてみたら、ねじを全閉でもユルユル。これだめだ。L119A1につけてた奴試したら・・・こちらはOKだった。20mm未満のレイルでも装着できた。さすがにSUSATのような迫力はトリジコンでは無理だが、元々トリジコンは「遠距離用ではなく中距離用の戦闘スコープ」なわけで、マークスマンライフルには最適ではなかろうか?と。普通のスコープもつけてみたが、こちらは装着した姿が「気持ち悪い」ので、すぐに止めた。SUSAT装着のL86A2、これはアリだ。