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てっぽうのページ

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スプリングフィールドM1903A1

 

 

CAW製:モデルガン

KTWのM1903は、3つの点が気に入らなかった。「Sストックであること」「リアサイトが近代的なものであること」「エアコキなのでボルト回りのリアルさが乏しいこと」である。

「Sストック」については、結構自分的には好きだ。あ、みんな知ってるとは思うが、Sとは「ストレート」のSだ。今回のA1のストックは「Cストック(カーブのC?)(ピストルグリップ)」と呼ばれている。曲銃床の銃は、通常は(多くは?)「Cストック」の方である。三八式、九九式短、ガーランド、Kar98kなどだ。現代の曲銃床も、このCストックの方が多いのではないだろうか。一方の「Sストック」の方は、自分が知る限りリー・エンフィールド・ライフル、モシンナガンだけだ。腰だめで保持したり、銃剣を使うときには、Sストックの方が良いと思う。が、頬付けで狙って撃つ場合、Sストックで「しっかり」保持しようと思うと、右手の小指と薬指に力が入りづらい。そこを無理して力を込めると、自然と右ひじが上がる・・・上げないと、右手に力が入らない。この瞬間、「Cストックの下部、きつくカーブしている部分のカーブの意味」これがよくわかる。右手の小指と薬指が保持する部分が、頬付けで狙うときに銃を保持するために以下に必要か・・・これは「Sストック」を経験してみるとよくわかる。経験のない人は、箒か何かの棒を頬付けで構えてみて欲しい。右手の小指と薬指に「ギュッ!」と力を入れればよくわかる。

「リアサイト」については、KTWのM1903が近代的な「目の近くにあるリアサイト、しかもピープ」であることが、残念だった。実戦的な使いやすさや人間工学云々はよく分からないが、自分の好みとして、自分は「目から遠いリアサイト」が好きだ。FサイトからRサイトの距離と、Rサイトから目の距離が同じになるタイプだ。Kar98k、三八式、九九式短、リー・エンフィールドNo1Mk3、モシンナガン、AK47のようなリアサイトが好きだ。さらにオープンサイト(九九式短を除く)。古臭いリアサイトだが、自分は昔からWW2nd米国式の「目に近いピープサイト」がどうしても好きになれない。・・・ああそうか、だから自分、AKやL85(光学サイト装備)が大好きなんだ・・・。

「ボルト回りのリアルさ」を追求すれば、タナカの長物ガス方式か、モデルガンしかない。最近、息子がもう同じ部屋にはいないので、けっこう毎日数メートル先の段ボール箱めがけて「撃って」楽しんでいる。だから弾が出るエアガン(ガスガン)も捨て難いのだが、タナカの長物ガス(ペガサス?)は、好きになれない。エアガンのようにボルトの引きに力がいらない分リアルだが、同時にそれは「あまりにも抵抗感のない(装填感のない)ボルトの戻し操作」も意味している。つまり、「一見するとモデルガンと同じに見える」のだが、実際にモデルガン(贅沢な人は実銃)を経験したことがあると、「カートの排莢」「カートの装填」が「ない」ということは、ボルトアクションの楽しみの半分以上を放棄するのに等しいということに気づくと思う。ボルトアクションの醍醐味はボルト操作であるが、ボルト操作の醍醐味の大部分は「カートを引き出す感覚」「カートを弾き飛ばす感覚」「カートをマガジンからグイッ!と押し上げる感覚」「カートをチャンバーに装填する感覚」にある。ボルトを「起こし」「引き」「押し」「下ろす」感覚は、実は醍醐味ではないと気づく・・・タナカの長物ペガサスを操作してみると。

もう一つ。「よく狙って、一発必中で狙撃する」醍醐味が、ボルトアクションの真髄でもある。タナカのペガサスは、この点がどうしようもなく「難しい」。ガス故か、弾道が安定しない。圧力が毎回違う感じがする。規制前でもそう感じたが、規制後は・・・もう絶望。威力なさすぎ。これは仕方ない。ガス銃の規制では、室温を今年の夏の最高気温並みに上げて弾速を測るそうなので、常温域では「ヘロヘロ」状態にしておかないと、規制計測したときに簡単に1ジュールを超えてしまう。最新規制はガス銃には手厳しい。一方のエアコキは、一般に命中精度に優れる。KTWは超一級なのはこの業界の常識として、マルイの安いエアコキシリーズも、抜群の精度を示す。気温の影響をガスほど受けないので、標準で1ジュールギリギリまで上げられるのも高精度の秘訣だ。以上を総合すると、「リアルさを求めるなら、断然モデルガン」「弾を当てる楽しさを求めるなら、断然エアコキ」となるわけで、タナカのペガサスは、もはや選択肢に入らない。がんばれ!タナカ!! ということで、M1903のエアコキはすでに持っているわけで、当然次の選択肢はモデルガンとなるわけだ。

モーゼルの架空銃の件で、某CAWの「誠意w」が身に染みてよく分かったわけだが、この業界、どこかのOSメーカーが圧倒的シェアにあぐらをかき続けた結果、ライバルのりんごの会社に会社規模で抜かれてしまったコンピュータ業界のように、「独占性が強く」「ユーザーに選択の自由がない」のが実情だ。「10万もの製品を、どう考えても違うだろう状態で出し、質問にも答えない」会社であり、「もう二度と買わないと星に誓った」自分であるが、「M1903A1・・・Cストックで、リアサイトが目から遠いタンジェント・オープン!」という製品は、「誠意のせの字もないクソ会社」である某CAWしか出していないわけで、選択の余地がない。先日の参議院選挙のように、「某自民だと日本丸は絶対に遠からず沈む」「だが、某民主だと日本丸は海賊の待つ海域へ向かう気がする」「他党だと、日本丸は他の星へワープしてしまうかも知れない」・・・選べないしw 同じく今回、俺は「クソ会社の製品を買う」「クソ会社だから買わない」しか選択の余地はなく、苦渋の決断・・・「クソ会社でも買う!」決意をしたわけだ。「買わない!」誓いが「買う!」に変わったわけだが、誰も俺を責められないだろう。「決戦だ!」「いや、トロイカだ!」「やっぱ決戦がイイ!!」と「国のトップ」が節操もなく迷って、コロコロと決意を変えてもいい国だから、日本はw いわんや一国民(平民)ならば完全に許されるよね!?

さて、そんな内面の葛藤を他所に、先日ショップからM1903A1が届いた。支払った金額は全て合わせて11万円台。久々の大物だ。箱はマルシンやマルイのような「パパのおみやげ」風ではなく、味も素っ気もない普通のダンボールに銃の名前が印刷されているだけのタナカ、KTW風だ。通好みだ。大人の味だ。とはいえ、俺は酒が飲めないし、甘いモノは大好きだし、夏は枝豆とビールの組み合わせよりも、アイスキャンディーと麦茶の組み合わせの方が好きという「大人」だから、「大人の味」は非常に微妙な響きとなる。この微妙さが、また、いいですなw

箱の中には、M1903A1が入っていた。以前、NECのPC-9821DX2(66MHz)を通販で買ったとき、箱の中からPC-9821SX2(33MHz)が出てきたことがある。同じペンティアムだが、クロック数が倍も違い、浮動小数点計算素子の有無という圧倒的に処理能力が違う2台だ。値段も倍近く違う。すぐにショップに苦情を入れたら、ショップの方もびっくりしていた。DXの箱にSXが入っていた・・・生産ライン同じなの?まさか!! 当然すぐに返品、3日後にしっかりとDX送られてきたが、「じゃぁ、SXの箱にDXが入ったのがあったのかも知れない!それが当たった人、喜んだだろうな!」と、己の運の無さを恨んだものだ。今回、箱の中から2万円台のベネリのショットガンが出てきたら・・・。いやいや、 絶版のMP18が出てきたら?

お馬鹿な妄想は中止して、目の前の銃を手にとってみる。やはりCストックの握り心地はいい。曲銃床の銃として、違和感がない。古臭いSストックも捨て難いが、「狙う」姿勢ではCストックに軍配が上がる。

モデルガンなので、さすがにボルト回りはリアルだ。3つ目のロッキングラグ(ボルト途中に付いているラグ)と、噛み合うべきフレームの間にすき間があるのは、激しく萎えた。「しっかりロックされるように」とまでは言わないから、せめてもっとすき間は詰めて欲しかった。

この銃の最大の特徴(と俺が勝手に思い込んでいる)が、カットオフ機構。ONにすれば、普通のボルトアクション・・・ボルト操作して普通にマガジン内のカートがチャンバーへ送られる。OFFにすれば、ボルトはマガジン内のカートを咥えられないので、単発銃と同じになる。「弾薬の浪費を防ぐ」とか言う人もいるが、本当だろうか。ライフルグレネードの発射用ブランクカートのためという説明の方が、自分にはしっくり来る。

俺の好み通りの位置・・・銃中央部にあるリアサイトは、Kar98kやSMLEのような照門がひとつだけのタイプではなく、三八式や九九式のような調整するときは立てるタイプ。面白いのが、ヴィンテージ調整がリアサイト側にもあること。通常のタンジェントサイト(Rサイトが銃中央にあるタイプ)は、左右の調整はFサイトで行う(アリミゾ形式?)。このM1903A1もそれはできるのだが、加えてRサイトでも可能。ネジで左右にずらせる形式自体珍しくないのだが(Rサイトが目に近いタイプならば、ほぼ全てこれが可能)、M1903A1のRサイトは回転式。Rサイト前部を中心に、後部が回転する。

この形式だと、調整ネジを回す回数と、照門の移動距離が厳密には同じ比率にならない。0.1mmあるいは0.01mm単位で微調整が必要なサイトでは、良い方法とは思えない。サイトベースごと左右へ直線移動する方式の方が、作成も運用も楽だと思うのだが。

モデルガンとしてのアクションは、自分的には合格点。ボルトのガタも少なく、アクションが全体的にカチッとしている。ボルトを上げる動作に力がいるが、同時にファイヤリングピンのコッキングも含まれるため、この方式では仕方がない。純正カートで装填、排莢をしてみる。・・・うーん、いい感じ!!これぞボルトアクション。次にダミカでやってみる。おお!やっぱりこちらの方がいい音がする。

スリングは、撮影の時にまだ届いてなかったので、M1897トレンチガンに装着してあった奴を使った。その後、この銃用に買ったのが来たが、色が濃いだけであまり違いはなかった。曲銃床には革のスリングがよく似合う。

某CAWもやれば出来るじゃないか。これだけの技術を持ってて、なぜモーゼルの時に手を抜いた?小さい市場の商売、信用失ったら痛いと思うが。今後の信用回復に期待。

 

 
 
 
 
 
 
 

セイフティOFF
ファイヤリングピンON

セイフティON
ファイヤリングピンON

セイフティOFF
ファイヤリングピンOFF
 

この位置でエジェクターが効き始める。

カットオフレバーON。

注1

カットオフレバーON。

カットオフレバーON。
ボルトはここまで下がる。ボルトを前進させると、マガジン内の次弾が装填される。
 

カットオフレバーOFF。

カットオフレバーOFF。

カットオフレバーOFF。
ボルトはここまでしか下がらないので、マガジン内次弾の尻をくわえられない。ボルトを前進させても、マガジン内の次弾は装填されない。

カットオフレバーON。
 

カットオフレバーON。
マグ内の次弾を装填できる。

カットオフレバーOFF。
次弾の尻をくわえられる位置までボルトを下げられない。

カットオフレバーON。

カットオフレバーOFF。
 

カットオフレバーON。ボルトの後退を止める出っ張りがこの位置。ボルトは後ろいっぱいまで後退できる。

カットオフレバーOFF。ボルトの後退を止める出っ張りがこの位置。ボルトは後ろいっぱいまで後退できない。

カットオフレバー中間。ボルトを止める出っ張りがなくなるので、ボルトを後方へ抜き出すことができる。

ロッキングラグは3箇所。残念ながら、後部ラグ(3番)は、フレームと咬み合っていない(すき間がある→上方注1の写真参照)。
 

赤矢印:カットオフレバーに当たる部分。
緑矢印:エジェクターが通過する溝。
青矢印:エキストラクター。

ファイアリングピン。さすがにセンター発火はご法度。
 
 

ヴィンテージノブを回すと・・・

こうなる。

確かにヴィンテージ調整となるのは認めるが、こんなオモロイ方式(回転式)、自分は初めて。

リアサイトを立てると、照門が3箇所にあって戸惑う。
 
 

純正付属の発火カートと、実物30-06。サイズはぴったり。
 

1発目実物、2発目付属発火カート
 

奥:A1、手前:A3
 
 
 

A3はエアコキなので、ボルトの造りが本物と違う。ボルトはここまでしか後退しない。