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てっぽうのページ

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アンチマテリアル・ライフル

 

 

マルシン製:エアーコッキング・ボルトアクション

アンチマテリアルとは、アンチが「対」でマテリアルが「物質」だから、「対物質」という意味である。物質とは、本体構成の話でない限り、通常では生物を含まない。 「生き物以外の物」という意味となる。生物以外を対象としたライフル・・・それは普通「砲」の領域。が、昔は対物で使うライフルがあった・・・対戦車ライフル。10mm以上の(人が撃つライフルとしては)大口径弾を使用し、戦車をやっつけるライフル。各国で開発され、特に独露戦では大量に使われたとか。しかし、いくら大口径で威力があるとは言っても、相手は戦車。独逸で言えばI号戦車やII号戦車辺りまでは何とかなっても、それ以降の戦車では装甲が厚すぎて歯が立たなかったという・・・当然だろう。既に37mm対戦車砲が役に立たず、50mmでも役不足。75mmがデフォ・・・そんな時代に、12.7mmや20mmの銃弾(砲弾?)が役に立つわけはない。戦車まで極限まで接近し、ゼロ距離で装甲の薄い上面を撃てば何とかなるかも知れないが、その場合は腰に青いランタンが必要になるから注意が必要だ(わからない人はこちら参照)。

だから、大戦中期頃からは、対戦車ではなく、対軽装甲車、対要人の狙撃に使われたとか。唯一、終戦まで対戦車戦闘の中核で使用した国がある・・・日本である。物資が乏しい日本では、重要軍需物資を沢山必要とせず、歩兵個人で持ち運べる対戦車ライフル以外に頼る術がなかったわけだ。

戦車の装甲に歯が立たなくなって以降、軽車両戦闘を除けば、大口径故の利点・・・「遠距離」「威力」を対人用に転用したもの、それがアンチマテリアル・ライフルとなった、と。ふぅ。代表選手がバーレットと言えば、非常にわかりやすい。

さて、そんな大迫力のアンチマテリアル・ライフルを我らがマルシン様はモデルアップしたわけであるが、下品で世俗的で慎みがなく安易に創作された最低最悪の一品だ。大きそうだし重そうだし反動キツそうだし、なにより不格好だし。ホームセンターで45cm寸で1本368円で売っていそうな7cm×7cm角の角材を削っただけの銃床部や、商品企画部の面々が部屋に転がっていたM4のグリップとストックとアンシュッツのF&Rサイトを組み合わせただけの廃物利用商品。でも実際に組み立ててみたら「おお!!かっちょいい狙撃銃できたぴょん。8mmの狙撃銃だから、スナイパーライフルっていうよりも対物ライフルの方が迫力があっていいぴょん。よし、決裁へまわすぴょん。」とマルシン流「よく商品として世に出す勇気があったもんだ」の一品。下品で世俗的で慎みがなく安易に創作された最低最悪の一品である。

しかも、大口径ライフル・・・スマートさがない。やっぱ狙撃は某G13のように「小口径弾で神業を披露」してほしいというのが世の要求だ。大口径大威力弾で「遠くから力任せにブチ抜く」のは、武士道に反しているととられる(?)。要するに、スマートさに欠けるわけだ。腹も体型も頭の中も、既に全てスマートではない俺が言うのも何だが、やはりこの銃はスマートさに欠けている。

しかも極めつけは「架空銃」。現実には存在しない銃だしw

かくして「下品で世俗的で慎みがなく安易に創作された最低最悪。スマートさに欠ける。架空銃。」というこのマルシンのアンチマテリアルライフルを目にした俺は、「下品で世俗的で慎みがなく安易に創作された最低最悪でスマートさに欠ける架空銃」が大好きなので買いましたとさw

手にとってびっくりしたことは、「小さっ!」ということ。もっとでかくていかつくてごつくて重くて邪魔な物だと思っていたが、あにはからんや小さくて軽い。機関部は樹脂。アウターバレルはアルミ。グリップとストックも樹脂。重くなる要素がどこにもない。だから軽い。うむ。木部はガーランドと同じような材質の木で、工作技術はさすがマルシン、そつがない。そつがないが、銃身部が銃床に対してフリーフローでベディングされている機関部なのだが、正直左右にグラグラしてる。この点もまたさすがマルシン、そつがない・・・買った後の「改修」という楽しみを提供してくれているw

ボルトは、マルイやKTWのような「え!?引き軽ぅ!!」という軟弱なモノではなく、かつての名銃SS9のような引きごたえのあるもの。特に引き終盤の「ピストンがシアに引っかかる寸前の一瞬」にはMAXの力が必要で、ストックをしっかり肩付けしてないと引ききれない。規制が心配だが、8mm弾なので(マルシンの自主規制では1.44ジュールだったっけ?)、多少威力があっても安心。

狙撃銃はとにかく撃ってみないと話にならないので、撃つ。マルシンの広告にあるように、確かにショボイ。8mm弾が15mほどの所へ「ヒョン!」と飛んで落ちるだけ。マルシンの広告通り、100発撃ってみた。広告通り、100発撃った段階で、飛距離が劇的に伸び、ホップが適正に決まると40mほどでも有効射程になるようになった。8mm弾なので弾速はないが、飛翔中の弾がよく見えて楽しい。部屋の中で数メートル先の段ボール箱を撃ってみると、大きな音で着弾、「いかにも威力ありげな迫力」だ。なるほど、8mm弾の狙撃銃ってのもアリかも知れないな。重さがあるので多少の風邪には左右されないし。・・・と、100発の「重いボルトの操作」で引きつった右腕と右肩に湿布を貼りながら実感した。

さて、かくも気に入った「下品で世俗的で慎みがなく安易に創作された最低最悪でスマートさに欠ける架空銃」であるが、許せない点が1点・・・改修箇所としては2点。

「対物ライフルって競技用じゃないよなw なのに、どう見てもオリンピック対応としか思えないF&Rサイト。許せない。」

F&Rサイトを撤去して、スコープつければいいじゃんと考えるのは早慶、いや総計、いや早計である。素人である。ハチクジマヨイちゃんに「嫌いです」と言われる。Fサイトは「撤去不能」。アウターバレル前端にあるマズル部分は、Fサイトと一体になっている。Fサイトを撤去するということは、アウターバレル前端のマズルも撤去することになり、マズルに何らかの措置が必要。Rサイトの方はねじ外して簡単に撤去できるし、レールも樹脂とはいえ健在だ。だけど、レール幅が10mm。今更ではあるが、マルシンは何を考えているのかw

以上、問題点をまとめる。
(1)機関部の左右へのガタ
(2)Fサイトの撤去(マズルの処理)
(3)10mmレイルへ20mm規格のスコープを装着

まず、(1)機関部の左右へのガタ。機関部は全部は銃床下から大きなねじで締め付けられていて、この部分にはガタはない。問題は後部。銃床に対して機関部後部下の「突起」をはめ込むだけ。しかも、突起が入るくぼみよりも、突起の方が小さい・・・こりゃ、ガタも出るでしょうw さすが「買ってからまともになるように自分で改修して完成させるのが楽しみのひとつ、それがマルシン製」w 突起に穴が空いてるが、ちょうど4Mのねじがねじ込める。だからこの穴に4Mのイモねじを取り付けた(左右)。これでガタは気にならなくなった(完全には解決していない)。

 

 

(2)Fサイトの撤去(マズルの処理)は、問題点が「外したマズル部分は、内径が18mm」の「順ねじ」だということ。14mm逆ねじ規格のフラッシュハイダー等は装着不能。ただ単にFサイトポストを切り取って成形して終わりでもよかったのだが、なんか面白くない。対物ライフルというからには、なんかこう、もっと迫力がほしい。で、なんかないかなと探したら、懐かしいLS製AK74のフラッシュハイダーーが見つかった。これだ!!と見た瞬間に決め、早速のこぎりでFサイトポストをギコギコと切り離し、AK74フラッシュハイダーを接着し、パテで成形して塗装した。「5.45mmの銃弾が通過するはずのAK74のマズル部分を、果たして10mm以上あるであろう対物ライフルの大口径弾が通過できるのか!?」という素朴な疑問は封印し、目をそらして生きていく所存です。

  

(完成型は、下の写真群参照)

さて最後の(3)10mmレイルへ20mm規格のスコープを装着。これは「タナカL96用10mmレイルに装着可能専用マウント」を落札して終わり・・・の予定だったのだが、海外発送で到着が遅れそう(8月2日現在、まだ来ない)。しかたなく、装着予定のスコープを架空の見えないマウントに装着して遊んでいたら、大変なことに気がついた。手持ちのスコープのアイリリース、結構距離がある。が、アンチマテリアルライフルのスコープ装着可能エリアは、エジェクションポートの後方で、結構手前。マウントを前へずらしても対処できそうだが、ちょっとまて。このライフルはマガジン(弾倉)が見あたらない・・・単発だ。ならば、エジェクションポートは排莢だけでなく、装弾も担うわけだ。そのエジェクションポートをマウントベースが「でーんっ!!」とふさいでしまったらダメじゃないか!! かくして、まだ手元に届いていない「タナカL96用10mmレイルに装着可能専用マウント」は、既に不要になってしまったw(マルイのL96は、10mmレイルも残っているそうだから、そちらで使う)。

さて、エジェクションポートをふさがないで、スコープを前の方へ装着するにはどうすればいいのか?・・・迷いに迷って数分、ガラクタ箱の中でオモロイモノをみつけた。M16A1&A2用の「キャリングハンドル装着ロングレイル」。これの本来M16のハンドガード上へ伸びる部分の「底」が、なんと10mmレイルにぴったりの寸法。本来、キャリングハンドル上に装着する部分が盛り上がり、これならきれいにエジェクションポートをふさがないでスコープが装着できそう。そうなったら、いざ工作だ!!

  1. M16用後付レイル(以後、単位レイルと呼称)の後端(本来は前端)を、アンチマテリアルライフルの機関部上面の寸法にカット。
  2. レイル下面でねじ穴の位置を決定(取り付けは、レイル本体にねじ穴タップで切って機関部側から固定)する。
  3. レイルを塗装する
  4. レイルの穴位置に3.5mのねじを開け、4.0mmでタップする。
  5. 機関部下面に、取り付け穴を開ける。
  6. 4.0mmねじでレイルを留める。

  

  

さて、これでやっとお気に入りの対物ライフルとなった。かなりお気に入りだ。次回の改修予定ポイントは、「銃床の延長(狙撃銃としては短すぎ!)」「トリガーフィーリングの改良」だ。興味を失っていなかったら実現するかも知れないw

 

<2009年8月20日追記:ブルーバックの写真群>

M99を買ったら、その迫力にぶっ飛んですっ転がって世界観が変わってしまったことは記憶に新しい(のか?)。「これが対物ライフルだ!!」「これが大口径だ!!」とスタンダードを見せつけられたわけだが、やっぱ「大口径の対物ライフル」は違う。このマルシンのアンチマテリアルライフルは違う。「大口径」でもないし、「対物」でもない。そうか、やっちゃったか、マルシン・・・。買っちゃったか、俺・・・。

ということで落ち込みタイムは終了し、前向きタイム。「大口径の対物」は譲ろう、うん、そうしよう。M99があれば「大口径の対物」はいらネー!! こいつは狙撃銃だ、それは異論がない。ボルトアクションだし、バレルはフロート構造だし(BB弾給弾部は無視w)、先台は木だし。結構イイ狙撃銃だ。よしよし、いいぞ。そうなると次は短所の確認。前向きの時だからこそ、短所を明らかにするべき。短所は・・・グリップとストック。現代風のフュージョン風(←言い方が古いしw)で結構イイ・・・ことはなく、M4といっしょって、そりゃないでしょう。M4のイメージに狙撃要素は薄い。どちらかというと、近距離の乱戦の要素が強い。よし、ここが弱点だ。

グリップとストックを交換しよう!!「おお!狙撃銃だしw」と、誰が見ても思えるように、グリップとストックを交換しよう。

ということで、例によって例のごとく、オクで探したら、いいのがあった。PSG-1にそっくりなやつ。そう、狙撃と言えばPSG-1。

グリップは電動用なので、モーター軸の穴を利用して、ボルトオンで装着完了。左右に少し動くので、ストッパーを将来増設する。ストックは、マルイ用。問題がここで発生。マルシンのアンチマテリアル・ライフルの装着穴径は28mm、ストックは29mm。これにぴったりの金属または樹脂のパイプがない。いろいろ試行錯誤した結果、・・・木にした。木はいい。加工が容易い。30mmの丸棒を買ってきて、28mmと29mmに削った。で、得意の「ストーンペイント」で塗って、ビスで留めてハイできあがり。

ちょうど、このタイミングで、オクで落札した「10mmレイル用」スコープマウントが来た(from 香港)。つけてみたら、これはこれでいいではないか。

さて、いかがだろうか。ノーマルのアンチマテリアル・ライフルよりはかっこいいと思うが。

 

 

これが「大口径弾が通過できるのか」疑惑の自作マズル部分。
 

自作マウントベース。
 
 

BB弾のローディングロッド。これは残弾ゼロの時。

フルロード(6発)の時。