004,664
1:2

カメラのページ

カメラって、鉄砲に通じるメカメカしさが好き。

 

TOPへ     メニューへ


dp2 Quattro

 

 

SIGMA製、高級コンパクトデジカメ

注:dp2 Quattro本体の撮影はRX100M3
一番下の7枚の撮影例はdp2 Quattro

「キもッ!!」が第一印象。

俺、結構頭の堅い人間なので、「カメラ」の理想イメージが頭の中にあり、そこから離れたものは拒否する傾向がある。
カメラといえばこんな形↓したのが自分的には正解。

自分でも一眼使った(使ってる)けど、「ペンタ部」がある一眼レフは自分的には邪道で、なんか窓がいくつかついたレンジファインダーが自分的には正解だ。ライカのように「唯一絶対神」的な威厳のあるのがカメラだ。

ところがどうだ、最近は。絞りやシャッタースピードやISO、ホワイトバランスなんか一切考えもしないで、「とにかくシャッター押してみ?」で「おお〜〜!」とそこそこきれいに撮れてる「バカ○。○カメラ」(差別用語に付き伏せ字)が幅を利かせた世の中だ。まだ、コンデジは許せるとしても、携帯やスマホのカメラ、あれ何?マジ簡単でマジきれいに撮れるし。そりゃ、本職カメラ(一眼とか)で同じ撮影したら携帯やスマホに勝ち目はないけど、「いつでもどこでも撮影できる」常時携帯型カメラとしてみれば、秀逸じゃないか!すごいじゃないか!最高じゃないか!・・・でも、勘違いしてはいけない。カメラとはこう↓あるべきなんだ。

コンデジだって、上で一回許したけど、もう許さない。「半押しピッ!」って簡単。そんなに簡単に写真撮っていいと思うのか!この野郎。小さいし嵩張らないし安いしきれいな画撮れるし。そんな不正、俺は許さない。大体、使わないときにレンズが引っ込んで、オマエそれでカメラか?カメラとはこう↓あるべきなんだ。

こんな流れの中、dp2 Quattroを目にした訳だ。ふざけるのも大概にしろ。「代官様おふざけを〜〜〜〜!」「ふふふ、よいではないか、よいではないか」が今の世の中に通用するとでも思うのか。変な形のグリップ部。変な形は人生の中で散々目にしてきたが、これは歴代第2位の変な形(ちなみに1位はWebley and Skott 1912 Mk1)。ウェブリースコット並に持ちにくかろうが。しかも横に長いし。その割にボディ薄いし。レンズ部、ボディ上端ではみ出してるし。ここは俺が正しきカメラの形を教えねばなるまい。「お前、ちがうぞ」と。

普通なら、「変!」と結論づけて「これ以上一生目にしない」リストに加えてハッピーエンドなのだが、今回はちがった。カメラの記事見る毎に「dp2 Quattroは・・・」「dp2 Quattroが・・・」「dp2 Quattroを・・・」と、目に入ってくるではないか。ライターさん達、「これは正しいカメラではありませんよ!」「皆さん間違ってますよ!」と怒り心頭に達して風呂入って寝る日々が続いた。

でもこれだけ世間が「dp2 Quattroは・・・」と騒ぐからには(注:一部のカメラオタクだけの「世間」ですがw)、もしかしたらこのカメラ、ただ者ではないのか?と思うようになってきた。まずい。非常にまずい。これまずいパターン。イヤな予感。九四式自動拳銃の時と似た状況。ああ、そういえば、九四式はかつて「変な形」の歴代2位だったな。

「いかにも握りにくそうなグリップ、頭でっかち。・・・が、手にしたとたん、 2つの嫌いな理由が解消された。握りやすいのだ。びっくりするほど手にフィットする。しかも、握ってみると頭でっかちが逆にベストバランスと感じられるのだ。」こんな経緯で、九四式は「一見変な形だけど、実際手にしてみると、ジャストフィット〜〜〜ぉぉぉ!」歴代一位だ。そうか、見た目で判断してはいけなかったんだ。教訓から学んだはずだ。百聞は一見にしかず、百見は一握にしかず。そうか、dp2 Quattroよ。お前もしかしたら一見変な形だけど、実際手にしてみると、ジャストフィット〜〜〜ぉぉぉ!」歴代ランキングに入る実力を有しているのか?

話は変わって高画質。マイクロフォーサーズに移行してはや4世紀(世間では4年w)。web上や職場での使用(プリントアウトしても精々A4サイズ程度)ではなんの問題も無い。先日、シャッター音の出ないカメラが必要になり、SONYのRX100M3を買ったが、これもM4/3より小さいセンサーなのに、きれいな画を出す。世の中これで平和だったが、それを乱したのがSONYのRX1R。解像度すごい。解像度番長。しかもコンパクト。しかも「正しいカメラ」に近い形、優等生。デモ写真を拡大して、細部のディテールに感動した。

自分、仕事でよくPhotoshopによる切り取りを行う。当然、拡大してパスで切る。解像度の甘い画だと、切り取る境界線の選択に困る。拡大すればするほど境界はぼやけるが、倍率を落とすと精密に切れない。ベジェ多用してスムーズに切ろうとしても、ぼやけた境界との戦いは熾烈を極める。そういう目でRX1Rのデモ画を拡大して観ると、おお!!切りやすい。これは切りやすい。境界がくっきりと。コントラスト異様に上げてくっきりさせた訳じゃなくて、ナチュラルにくっきり。これだけくっきりしてると、ブロック単位が見えるまで拡大しなくてもパスが使える。いい。これ、いい。

仕事のメインはE-M1(サブE-P5)、シャッター音やばい時はRX100M3。実はこれ以上、カメラはいらない。以上3機種とも不満はなく、仕事でも趣味(このHP)でも、必要にして十分な性能。周辺にもある程度金をかけてるし。高解像度のカメラが必要なシチュエーションではない。もし金をかけるなら、次はハスキーの三脚ではなかったか?微動だにしない頑固野郎、米国生まれの頑固者ハスキー親父を買うんじゃなかったのかい?


米国生まれの頑固者ハスキー親父

でも「高解像度」という言葉には霊力がある。自分、フルサイズではなくてM4/3にした理由が「レンズ、フルサイズは高いし。ほしいレンズがほとんど買えない世界ってあり得ない。」というもの。決してフルサイズの表現力(解像度)を嫌った訳じゃないし、「金さえあれば、俺だってフルサイズの世界へ!」という気持ちもある。じゃあ、一発ここで、「35mm単焦点」のフルサイズが一台あってもいいじゃないか。俺だって高解像度のカメラ持ってもいいじゃないか。税金しっかり払ってるし、神社の当番もしっかりやってるし、地元の交通安全協会に協力もしてるし、先日は拾った100円玉を交番へ届けたし、フルサイズ一台買っても罰は当たらないだろうが。

ということで、密かにRX1Rを狙う自分がいた。お金を貯めたというか心理的に貯めたというか貯めるふりをしたというか貯めようという意思を持つことを決意したというか、「大切なのは、貯めることより買うことじゃないか?」という自己名言で自己暗示に陥り、部屋のものが数点無くなって半額程度までお金が貯まった、それがdp2 Quattroと出会ったころだった。

RX1Rの半額・・・約9万円。dp2 Quattroが9万円。

画質は?フルサイズ v.s. FOVEON。なんか、画素が横じゃなくて縦に並んでるんだって。横隊か縦隊か。日清戦争の清海軍は横隊だったが、日露戦争の日本海軍は縦隊だった。突撃するなら縦隊でしょう!って違うな。縦じゃなくて上下?重ね?重ねたらあんた、下へ光届かないでしょう。重ねたらあんた、画素が光受ける面積、大きくなっちゃうでしょうが。そうか。そういうことか。青一つ赤一つ緑二つで方陣組ませて、画素を精密化して、モアレ防止でローパスフィルター付けたり付けなかったり、各社横という2次元でしのぎを削っているときに、シグマは縦の重ね合わせという3次元の道を選んだのか。その心意気やよし!


心意気やよし!のフォベオン君

と偉そうに宣ったりして、FOVEONの実力をネット上の画像で検証した。すごいね。いや、すごいね。すごくすごいね。フルサイズとAPS-Cの面積差って結構あるんだけど、APS-Cはフルサイズよりすごく小さいんだけど、dp2 Quattroの方が「境界くっきり」ですが?これが3次元の力か!!俺もそろそろ2次元卒業して、3次元に挑戦だ〜〜〜!!と。(嫁の2次元3次元問題は、自分の中でまだ解決していませんがw)

(1)変な形だけど、もしかしたらものすごい未経験の持ちやすさかもしれない。いや、その可能性は異様に高まった!!
(2)高解像度。くっきり。史上最強(俺が買える範囲内で)。確証だ。
(3)金はある(半分まで来ていたRX1R貯金)。明日もあると思うな!

で、手に入れた。

持ってみた。おお!変な形なのに、持ちやすい!!・・・ではなくて、持ちにくいしw 確かに握る部分が太いので、握る力は入れやすい。シャッターを押す人差し指を動かしても、その動きが本体に伝わらない絶妙の形でもある。が、角張ってるのでなんか持ちにくい。「左手をレンズに添えるといい塩梅」、とかレビューで書いてあったけど、なんか違和感。右手で本体右側持って左手でレンズ握るスタイルは散々今までやってきたので、このスタイルは身にしみている。だからこそ違和感が出る。このカメラ、右手の握る位置とレンズまでの距離が離れすぎ。今ここ読んでる人は、「エア一眼構え」をやってみてほしい。その状態で、約2cm、右手を右へ移動してほしい。どう?違和感ない?液晶真裏にレンズがあるから、通常の一眼と同じ位置に左手が来るが、右手は「慣れ親しんだ位置より2cm右」にある。レビューで見た「左手をレンズに添えるといい塩梅」については、「左手をレンズに添えないで右手だけで扱おうとすると最悪」という意味だと実感した。それほど重いカメラじゃないが(E-P5と同等程度)、横に長いので、右手だけで持つと重く感じる。ファインダーをのぞかない撮影の時は、「のぞけない状況」なわけで、片手撮影がよくある。このカメラは、片手撮影がしにくい。

でもこのカメラ、片手撮影がどうのとか、持ちにくいとか構えにくいとか、そんなこと全然問題じゃなかったと気づいた。その点は後で。

次に画質。これは多くを語らない。語る必要が無い。すごい解像度、感動的な解像度、くっきりはっきりしゃっきり。だって、このために9万円もの大枚はたいて買った一品。だから語る必要も無し。

お次は感度。暗さに強いか?ということだが、弱い。まるっきり弱い。RX100M3やE-M1がオートISOで400と判断するところを、このカメラの判断は800。で、その「800」がノイズがひどくて使い物にならない。がんばっても「200」が限度。E-M1なんか、800は常用域で、1600でも細部をよく見ない限り使える。dp2 Quattroは感度が低い。画質追求で買った以上、画質が明らかに落ちる800や400なんか使えるか!!と。画質追及する男は100でしょう!と。絞りは、オートISOが800と判断した段階で解放の2.8になってるから、あとはシャッタースピードの問題。当然、シャッタースピードは落ちる。1/6とかに落ちる。しかもとどめは「手ぶれ補正機構未搭載」。手持ちで撮影できませんがなw しかたなく、ごく自然な流れで、このカメラの底部には三脚のクイックシューがつきっぱなし・・・三脚専用マシンに指名されました、と。

めでたく「三脚専用大使」に就任したdp2 Quattro。そうなってくると、持ちにくい形も、片手撮影NGも関係なくなってくる。ISOは100で固定、モードはマニュアルで、絞りは状況に応じて変え、SSはいくつになっても三脚あるから問題なし。おお!!しっかり自分の中で位置付きました。

動体はどうする?・・・仕事では「光量不十分」「動きを止めて」「ストロボ論外」というめちゃくちゃな要求されることが多いが、そちらは高感度のE-M1やRX100M3に任せて、dp2 Quattroは静止画を遅いシャッタースピードでじっくりと専用機ということで。

バッテリーの保ち。最悪。標準でバッテリーが2本付いてくる(しかもバッテリーポーチ付き!)のは、親切ではなく必然なんだと納得できる。Eyefiの転送のために、オートパワーオフを5分に設定しているが、銃のページで今撮影している状況でいうと、撮影自体でバッテリー表示は1個減る(10枚程度のRAW+JPEG)。Eyefi転送でさらに1個。後1個減ったら要交換。まだ極限まで撮影枚数突き止めた訳ではないが、50枚が限度?ま、外へ持ち出して手当たり次第パシャパシャと撮る用途には使わないので、それほど不便な点じゃない。

SDカード、USB端子へのアクセス。最悪。ゴム蓋。しかも、結構堅い硬質ゴム蓋。しかもぴったりフィット系。自分のRAW撮影は、1枚撮ったらとりあえずPCへ転送してPC上で現像して、微調整を考える。又1枚撮ったらPCへ・・・というやり方なので、1枚撮る毎にゴム蓋の開閉。剛性感皆無のくせに粘りけだけは十分。そんなゴム蓋を延々毎回毎回開け閉めする・・・ゾッとする。「三脚で室内撮影なら、開けっぱにすれば?」という点を突かれると思うが、いくらゴム蓋とは言え、ふたが開きっぱで撮影していると、なんかそこからゴミが入ったり、虫が入ったり、トカゲが入ったりするようで、精神衛生上よくない。ましてや、開けっぱのSDスロットから、RAWデータやらJPEGデータやらシリコンチップやらが出てきたらどうしようとか、LSDが出てきてしまって、その代わりそこへカナブンが入って入れ替わってしまったらどうしようとか考えると、夜も眠れない。完全に異常者だ!!よくトイレの扉は開けっぱにして嫁に叱られるが、SDカードスロットの蓋の開けっぱはダメだ。ふう。そうなると、Eyefiしかない。でもね・・・(以降、514文字略。後日Eyefiカードの項で。)

で、Eyefiの出番となる。撮影、即転送、全自動。たまにカードがPCから認識されないとき以外、ゴム蓋の開閉の必要がなくなり、一件落着。LSDとカナブンの交代劇は防げている。

スリング(カメラの世界ではストラップと言うらしい)に関して。俺は付けっぱのスリングが嫌いだ。以前キヤノンの高級コンデジ使ってたとき、撮影中になにげにテーブルへカメラを置いて、しゃがんで床のものを取ろうとしたとき、カメラを置いた手がストラップに引っかかり、見事カメラは床(板張り)の上へ。シャッターボタン側の角がへこみ、全体の形がゆがみ、バッテリーの蓋は開かなくなり、電源も入らなくなった。保証期間内(買って2ヶ月目!)だったけど、自損事故なので修理は全額自腹。結局、修理より新品買った方が安い見積が来て、そのカメラはご逝去確定。それ以降、カメラをどこかへ置くときに、スリングを付けたままにしないことにし、今の「カメラ本体にはリングを装着」で脱着型のスリングにしている。

dp2 Quattroは、タイプとしてはEosKissと同じ「幅広スリング取り付け部」タイプ。これにスリング取り付けリングを極小リングを介して左側のみに装着。右側はシャッターとかダイヤルとかの操作の時邪魔なので、付けなかった。問題はこのスリング取り付け部の金具、「塗装が超弱い」こと。極小リングを入れる段階で、「さっさと」「素早く」「ざっくりと」塗装が剥げた。一応、普通は布が当たる部分だから、表面強度は必要とされないのか?改善してほしい点である。上の、ゴム蓋の項の写真見てもらえばよく分かる。

アクセサリーシュー。きちんとカバーが付いていてOK。ストロボか光学ファインダーかを付けるらしい。残念ながら、ストロボ撮影するウデはない。光量が足りないときは、SS遅くして三脚頼りだから、もしストロボ使うとすれば、「単なる光量追加ではない高等テクニック」としての使い方になるので。ファインダーは是非ほしい。でも残念ながら、光学式しかない。逆ガリレオ式?なんか怖いし。撮影諸元が投影されない、各種調整が反映されない、ただののぞき窓。フレーミングを決めるためだけ。そのためだけに純正品3万円を出せと?俺に?3千円なら買うが。でもね、かっこいいのは認める。奇抜な形のdp2 Quattroだからこそ、あの蟹の目玉みたいに飛び出したファインダーはかっこいい。どうせならdp2 Quattroは横広なんだから、アクセサリーシュー横にもう一つ付けて「ダブル光学ファインダー」にしてほしかった。↓こんな感じ?


ごめん。今は反省している。

ダイヤル操作。E-M1で慣れた操作なので、これはOK。回すのに必要な力もちょうどよい。親指側のダイヤルの位置がもう少し左だとなお良いのだが。

ボタン操作。縦4つの一番上は、親指が当たる位置なので、この位置にはない方がいい。その他のボタンはOK。でも、モードボタンは使いづらい。E-M1もE-P5もRX100M3も、全てモードボタンではなくモードダイヤルで、現在のモードが一目で分かる。まぁ、dp2 QuattroのモードはP,A,S,Mの4つしかないので、ダイヤルだともったいないと言えばその通りだが。

無い物ねだり。絞りもレンズのリングで操作したかった。レトロ系のカメラではないが、ズームもない単焦点レンズ、レンズリングで操作したい。そうなると、ダブルダイヤルは不要となるので、一つはモードダイヤルで使えるとか。

液晶。綺麗で見やすい。無い物ねだりで言えば、バリアングルがほしかった。三脚で静物専門だから、フレーミングさえ確認できればOKだけど、やっぱあれば便利。必須じゃないけどね。