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模型のページ

最近の模型、ハンパない。エッチングとか真鍮削りだしとか紙製シートとかハイモールドとか。素人の域を超えてる?いや、 素人でもすごいことができる時代?そう、そうに違いない!!明るく前向きにポジティブに考えて模型を楽しみませんか?と皆さんを模型地獄へ誘ってみたりw

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空母の飛行甲板、もっと簡単にならないの?

 

 

帝国海軍航空母艦甲板製作という苦行

模型専門誌やネット上で上級者達の作品を観ると、エッチングをはじめとした新マテリアルを十二分に活用し、「ここまでできるのか!!」というレベルの作品ばかりだ。しかも、以前のような「超絶職人芸」や「高額で手に入らない工具」は不要で、「ちょっとした根気」「ちょっとした投資」だけで、そういった上級作品に近づいていける、「自分でもできる!」そういう時代になっていた。

扶桑の金属砲身(ライオンロア製)を手に入れて驚いたが「細いw」。そう、今までのプラスチックでは強度や製造上の制約から、細く弱いパーツは、ある程度の強度確保のため、大きく太くならざるを得なかったわけだ。特に1/700という素人が手を出す模型としては究極の小スケール、仕方なかった。中学生の頃、親父のノギスで巡洋艦の砲身直径計ったら、1mmちょっとあった。これって、1mm×700=70cm・・・おいおいw 20cm砲弾の砲だから、(70-20)÷2=25cm・・・「肉厚」25cmの20cm砲?

だから「砲身を削って細くする工作している人がいるよ」と、高山の模型店の親父に教えられ、ショックを受けた。「市販状態の模型は、そのまま組み立てるだけではリアルじゃない。そんな加工がないとリアルには組み立てられないか!」と。

今の時代、金はかかるが、リアルサイズの超精密オプションパーツが目白押し。それ以前に、「金型リニューアル」というメーカーの切り札まで登場、いい時代になったモノだ。

さて本題。艦船(軍艦)模型を作る人は3つの層に分かれていると思う。
  Aレベル
    超絶技巧のプロレベル
  Bレベル
    箱だし+別売りパーツ、その他でリアルさ追求レベル
  Cレベル
    箱だし、組み立てられればそれでよしレベル

自分はBレベルだと自負しているが、実はBレベルにも2種類ある。
  B1レベル
    Aレベルを目指し、日々技能研鑽に励む技能追求者
  B2レベル
    技能向上よりも、ある程度の技能で多くの艦船を
    造りたい量産追求者

自分は、B1のような技能追求の一面もあるが、それ以上にB2の「量産主義」だ。自分の今の目標は「連合艦隊の再現」。一艦に多くの時間を割く余裕はない。開戦は間近に迫っているのだ!・・・なわきゃないけど(そこまで自分は壊れていない)、数年内には達成したい目標だ。

ある程度のリアルさはほしいから、基本的にはアンテナ類にエッチング使ったり艦載機のプロペラや脚程度は再現したいが、空中線や手すりは「見えない知らない聞こえない」とお茶を濁している(まぁ、後ほど加工も可能だしね)。ファインモールドの25mm機関砲や12.7cm高角砲は魅力だが、全ての製作艦船に使ったら予算が保たないから、空母以外の艦で限定使用しようと思っている。

つまり、「ある程度のクオリティで我慢」「割り切りポイントの明確化」が今期(プラモとしては3期目)のモットーだ。

すると、空母ってやつは手強い。他の巡洋艦や戦艦は、「軍艦色で全体」→「甲板(板やリノリウム)」→「再度、甲板部分の軍艦色塗装」と、難しい部分は筆塗りでカバーできる。根気勝負だ。自分、仕事では根気などないが、趣味では自信がある。ところが空母は違う。飛行甲板が空母の顔で、この部分の出来次第で印象ががらりと変わってくる。マスキングにはある程度自信があるし、基本的につや消し塗装のために多少の失敗はカバー可能だ(つや塗装が主になる車製作の時は、塗装失敗の修正は基本的に不可能だった)。

そう思ってうん十年ぶりにウォーターラインのプラモ(加賀)手に入れた。そのときオクでおもしろいモノを見つけた。「紙製甲板キット」だ。

木の部分は塗装して貼り付け。白線は専用マスキングを仮貼り付けして白(赤)を吹く。うーむ、これには感動した。これなしで作業するとなると、「木の部分塗装」「白(赤)線塗装」2段階のマスキングが必要だが、まぁそれはいい。問題は「白線のためのマスキングの面倒さ」だ。

木の甲板部分は、レーザー加工で超微細なスジ入りで、メッチャリアル。感動。線のマスクも「仮止め用スプレーのり」を使うことで、「一発マスキング」という20世紀人誰もが夢見ていたパラダイスを実現。時代はCやBレベルの人たちになんと優しくなったことか!

その夢のような時代が「夢」だったことに気づいたのは、そのすぐ後だった。ゆるりとご説明致そう。

まず、木の部分の製作。飛行甲板の着艦用ワイヤー部分を削る。

厚手の紙製シートにデッキタン色を吹き付け、飛行甲板に張る。

スプレーのりなるモノを生まれて初めて手に入れ、使う。

木甲板の取り付けは永久取り付けなので、赤い方を使う。予想以上にべたべたし、貼り付けに苦労した。

ここまでは問題なし。さて次のステップ、「全面一気マスキングによる吹きつけ塗り分け」。

仮止めなので青い方ののりを使う。端っこをマスキングして、吹きつけ。紙厚があるので、マスキングのエッヂはあまり密着していないように見える。極力垂直になるように、弱めに、何度にも分けて白を吹き付ける。当然、甲板最後端には赤を塗ってある。さて、いよいよ全面一気マスキングの成果確認だ。

まぁまぁ?いや、よく見ると、駄目だぞ? まず、のりがきつすぎたようで、甲板前部の軍艦色部分にのりが残ってしまった。仮止めなので薄くとも思ったが、薄いと「マスキング漏れ(マスキングと対象物の間にできた隙間から塗料が漏れてしまうこと)」が恐ろしく、厚めに吹いたのが失敗だったようだ。こののり、油性なので、はがすことは不可能(軍艦色も落ちてしまう)。くそっ!しかもよく見ると、甲板のモールドと塗装がずれてるし。クソックソッ!!

が、そんな失敗などまだ幸せだったことが判明。

ハハハハッ!のりがきつすぎて、木甲板部分の紙シートがはがれてしまった!!しかも、レーザーでできたスジに沿ってはがれてしまったので、ここを塗装してもあの微細なスジが存在しない。クソ、完璧な失敗だ。

モールドと塗装のずれは、甲板後方ではこんなに顕著に。この白線用モールドも削るべきだったのか!

各部をレタッチし、なんとか「飛行甲板の一部は、激しい発着艦訓練により損傷が目立つ仕様」でお茶を濁した。今回の作業で一番手間がかかったのは、レタッチ。これって、「お手軽簡単な甲板の表現方法→CやBレベルの人向け」なんだろうか?Bレベルの中の上級レベル(もう少しでAレベルの人たち)向けなんでは?俺のようなBレベルの中の下の方の人には荷が重い工法だ。

 

その後、白線に苦労した。とにかく苦労した。「モールド利用マスキング工法」「パソコンプリンター用白紙粘着シートカットによる白線表現工法」には成功したが、「純正デカール(アオシマ製飛龍)」には完璧に失敗(昔からデカールは苦手)、「俺の今後の人生の中で二度とデカールは使わない!」と誓いを立てた。

 

なんかこう、かんたんに「ピッ!としてチャッ!としてハイできあがり!」的な物はないか?と正月いっぱい考えた結果がこれ↓。

タミヤ製瑞鶴。飛行甲板の表現に注目。白線は完璧に表現。甲板の木の表現も気に入っている。これ、自分でパソコンで作って印刷、切り取って張ったモノ。

こんな感じで、イラレで作った(これはver.2の図面)。

プロトタイプ。はじめはパソコン用白シールペーパーを使っていたが、さて、本番印刷!の段階で愛用のエプソンPX-G920が壊れた。廃インクタンクいっぱいになったようで、何しても反応なし。サービスに出すといっても正月だし。今すぐ印刷したいし。仕方なく、近所のヤマダ電機行ってエプソンのEP-804Aを買ってきた。PX-G920ほどの高性能機じゃないが、店頭在庫の最高がこれだったので・・・。まぁ、最近のプリンタはどれもきれいだという話だったし、よし!と印刷したら・・・悲し哀し、シールペーパーでは細かい表現ができなかった。PX-G920は顔料インク。紙に対するにじみが少なく、普通紙でも細かい表現ができた。対する今回買ってきたプリンタは染料インク。普通紙だとすぐにじんで、細かい表現など不可能。クソッ!・・・PX-G920、やっぱ高性能だったんだな。

仕方なく、フォトマット用紙で印刷したら、ようやく細部が表現できた。シールじゃないから、例のスプレーのりを使うしかない。

後ろから位置決めする。ちなみに、甲板は「全面」ペーパーがけで、完全につるつる。出っ張りを完全になしにした。後部赤白部分の金属でこぼこも削った。その分、印刷で表現してある。

貼り終わり。艦橋後部の金属部分のグレーが薄く見えるが、「金属出っ張り表現」のため。

この部分は、わざと大きく作ってある。貼り終えてから切り取る。甲板自体が定規になって、簡単にきれいに切り取れる。

細部。どうだろうか?遮風柵の表現は失敗した。ver.2で直す。

制動索は、0.2mmの真鍮線を張った。張り終えてから、真鍮線に塗装してなかったことに気づいた。最近、こんなミスばっか。

今日作ったver.2(下)。全体の色調が緑っぽくなってしまったが、細部はver.1(上)の反省を元に、ほぼ全て作り直している。

制動索は、金属線張るのさえ面倒だと気づいて、印刷に含めた。素人製作であるため、細かい突っ込みどころは多いと思う。が、「甲板の出っ張りを全部削る」→「シートを切り取る」→「のりを吹く」→「張る」これだけの行程でできあがる。マスキング?・・・不要。デカール?・・・不要。遮風柵や制動索のオプションパーツ装着?・・・不要。まさにこれこそ「ピッ!としてチャッ!としてハイできあがり!」、俺が求めてたやつだ。まぁ、データ作成には丸1日かかるが、できあがってしまえば、それ以降は失敗の要素がない。さんざん苦労して「加賀」「赤城(2隻)」「大鳳」「翔鶴」「天城」「蒼龍」「飛龍」「冲鷹」を作ったが、満足できなかったやつは、甲板にペーパーかけてこの工法でやり直し?

タミヤ製瑞鶴、翔鶴用のこのシート、せっかく作ったのに、すでに貼り終えてなんか空しい。もしご所望の方がいらっしゃったらご一報ください(トップページのメアドへ)。実費でお分けします。