博物館というものに、とんと縁がなかった自分だが、英国へ行ったとき、ロンドンを自由行動で散策していて、英国王立戦争博物館というところを訪れた。今まで写真やプラモでしか見たことのなかった本物たちが、そこにあった。自分の世界の狭さを実感させられた瞬間だった。息子もここがいたく気に入り、二人で将来、数日がかりで満喫しよう!と約束し合った。家内はお冠だった。
S君さんが今回レポートして下さったニューヨークのイントレピッド博物館(?でいいのでしょうか?)。空母がそのまま博物館という、何という大味さ!!なんというストレートさ!! だから好きさ、米国!!
空母の甲板上にいきなり登場はF16!!と。しかもその後方にはSR71が。しかし、大味だとかいい加減だとか散々言われている米国だが(言っている張本人は主に俺だがw)、こと軍用に関しては素晴らしい!!の一言。こと航空機に至っては、かつてF16やF18という「グラマン製鉄所謹製」と嘲笑されたデザインセンスは全く影を潜め、優美を通り越して芸術の域に達しているものばかり。特にF4以降F18までの造形は、他の追従を許さない。唯一ソ連のMig29とスホーイ27だけが次点ランク可能か・・・。F14、F15、F16、F/A18の4機種は、既に全て神の領域。
5枚目の写真の「不明機」は、F-106デルタダートではないかと。1950年代の本土防衛制空戦闘機で、F-102デルタダガーと共に米軍機で唯一の三角翼(デルタ翼)だったと記憶している。結局米国はデルタ翼を捨ててしまったが(F14をデルタ翼と呼ぶ勇気は、俺にはない)。
↑その後の調べで、シュペルエタンダールであることが判明。お詫びします。
今は亡きF14。1発(当時)1億円のフェニックス超長射程ミサイルで、敵ミサイル爆撃機を迎撃するために開発された「史上最強のドラ猫」。エリア88でミッキーが飛ばすこれが、最高にかっこよかった。
ヒューイ・コブラ。これ、S君さんが書いているように、その薄さにみんな驚くらしい。上の正面からの写真で俺も驚いた。正面からの被弾確率を下げるためと言うが、それにしても薄い。ヘリによる対戦車部隊は、対戦車戦闘における効率が最も良いらしい。つか、奇襲されたら、戦車側に勝ち目は全然ないらしい。当然戦車側も対空装備(対空車両、歩兵携行対空兵器等)はあるが、ヘリは文字通り「こっそり忍び寄る」のがデフォなので、気づいたときには部隊はほぼ全滅という恐ろしいものだそうだ。なのに、まともな対戦車へリ部隊が十分にある国は米国だけだぞ!と。理由は当然「予算」。ヘリ部隊は金がかかる。故障したら止まっちゃうだけの戦車部隊と違って、故障したらそのままお終いのヘリでは、メンテ部隊だけでも相当に金がかかる。作戦行動後の部品交換も相当なもの。結局、軍に湯水のように金が使える国じゃないと、ヘリによる対戦車部隊は編成・運用できない。結果、世界一の金持ち国・・・米国だけしかまともな対戦車へリ部隊を持てないぞ、と。山がちな日本こそ、最高な戦法だと思うのだが、世界第2位の金持ち国日本でさえ、ヘリ部隊は無理(あるにはあるが、戦力にならないほどの規模)。
アベンジャー雷撃機。・・・これが「F14〜F/A18を創ったのと同じ国」が創ったとは到底信じられない無骨さ。戦う機能以外全て廃した機能主義。ある意味、こちらの方が米国らしさが漂う。旧独逸軍のように徹底した「質至上主義」でもなく、ソ連・ロシアのように徹底した「量至上主義」でもない国、米国。普段は質至上主義だが、戦局によっては急に量至上主義に簡単にシフトできる柔軟さ。最近は「最上の質を最高の量そろえる」というふざけた主義だが、お金持ちのやることは・・・まったく・・・。
S君さん、ありがとうございました。久々の米国テイスト・・・地球最大最強の軍事大国、世界の警察・・・を満喫しました。こんな恐ろしい国に、ガチで勝負挑んだ70年前の日本って・・・。米国の歴史上、ガチ勝負挑んで戦った国って、日本だけ(英国はガチ勝負じゃなかったし)。その「勇気」には敬意を表します。戦後は最低な国だけどねw
またレポありましたら、是非お願いします!!