で、仏国ベルタンの口車に乗せられた日本は、虎の子の予算をはき出して建造を依頼。とりあえず、前担当艦2隻と後担当艦1隻ができあがる(竣工)。前担当艦は32cm砲が前を向いている。「橋立」と「厳島」。後担当艦は32cm砲が後ろを向いている。「松島」。後もう1隻後担当艦が造られ、めでたく「前2門、後2門の32cm砲搭載艦(艦隊)」が完成するはずだったが、なぜか後担当艦1隻はキャンセルされた。なにはともあれ、対「定遠」「鎮遠」の最終兵器も揃った。決戦だ!!
結論。役に立たなかった。全長90mって、今の護衛艦より小さい。太平洋戦争当時の駆逐艦と同じ程度の大きさ(幅は広い)。こんな小艦に32cm砲を積んだ・・・無謀だ。保育園児にデザートイーグル撃たせるようなものだ。実際、艦が小さすぎて波の影響を受けすぎて照準が定まらず、全然当たらない。撃つと反動と衝撃がすごすぎて艦の揺動が止まらず、次弾が撃てない。ローラースケートはいてバッターボックスに立った王貞治?ママさんサンダルはいてプレーするマイケルジョーダン?・・・そんな感じ。
結局、日清戦争の海軍決戦となった黄海海戦で、32cm砲は全く役に立たず、速度も遅く(16ノット)て、とても価格分の働きをしなかった。逆に吉野は、20ノットの俊足を活かし、吉野に準じる「高速、小口径だけど速射砲多数」の巡洋艦らと共に、清国海軍(北洋艦隊)を撃破する(その後の威海衛攻撃で決着)。
実は、艦建造途中の段階で、この三景艦の「役立たずぶり」が日本は分かっていたのではないだろうか。そうでなければ(4隻発注するつもりがあったのならば)、「三景」の名前はつけないでしょう。4隻目の名前、どうするつもりだったわけ?w 公式には「4隻目が搭載する砲に問題があった」と言うが、それ、キャンセルのための方便でしょ?「1セット4隻建造予定の3艦に三景(厳島、橋立、松島)の名前つける」か?常識で考えれば分かるでしょう。
以後、仏国という国は、日本の鬼門となる(当社比)。