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2006年7月28日

エピソード23:ADSLが来た

 

タイトル通りである。 田舎郡過疎村大字僻地字僻地の俺の村にADSLが来た。

経緯は「おはなしのページ」14発目15発目にも書いたので、物好きな人はそちらを勉強してからということで。

まず、NTTからADSLモデムが届いた。設定マニュアルを読むうちに、???という疑問が出てきた。NTTのマニュアルの要点は、次の通りである。

    1. ADSLモデム自体のDHCPはOFFにする。
    2. 端末のIP設定はDHCP参照にする。
    3. 端末の設定は、PPPoEを使わないで、通常のLAN設定にする。
    4. ADSLモデムにハブをつけて、複数の端末でADSL使用可。
    5. ADSL自体の接続(外部接続)設定が、一切不要。

???の疑問

  1. 端末はどこのDHCPサーバを参照するわけ?
  2. ADSL「モデム」なのに、PPPoE使わないわけ?
  3. ブロードバンド「ルーター」不要で複数端末OKなわけ?

どうも変だ。通常のADSLサービスと違う。で、よく考えた結論が次の通り。

通常のADSLサービスでは、家庭の端末にADSLモデムつないで、プロバイダ経由で外部(インターネット)接続を行う。各家庭内の段階で「内部と外部のアドレス割り振り」を完結し、プロバイダは接続サービスを提供するだけ。が、今回俺が契約したのは、プロバイダを中心に、契約した全戸を含めた広域LANで、各家庭からプロバイダまでは「外部」ではなく「LAN」内。プロバイダで外部へのゲートウェイがあり、そこから各家庭は外部へ出ていく。プロバイダに契約している全戸がプロバイダでIPアドレスを振ってもらう必要があるので、ADSLモデムのDHCP機能はOFFにする必要がある。さらに、プロバイダまでの通信は内部なので、各家庭でPPPoEを設定する必要はなく、従ってブロードバンドルータも不要。・・・というわけだ。うーむ、なるほど。

ま、別にどんなルートたどろうが、ADSL使えるなら文句は言わないけどな。と言い切れるほどにADSLは速かった。速度チェックサイトでチェックしたら、平均7.7Mbps出てた。50MBのダウンロード中に、1本のタバコが吸いきれなかった。ISDNのときだったら、タバコなら一箱必要だった。

が、待てよ?・・・ヲイヲイ、ヤヴァイぞ。俺んちにはサーバーがあるんだけどw

MacOS-X10.4Tiger Serverである。ファイルサーバーである。自宅にはMacintosh9台、Windows2台があり、それぞれがいろんな役割を果たしている。それら全てのファイルは、PowerMacG4-1GHzにインストールしたMacOS-X10.4Serverで共有している。

今回、「過疎の地域用ADSL」のシステムそのままで使おうとすると、うちのファイルサーバーにもプロバイダからIPアドレスを割り振られることとなる。DHCPであるために、再起動毎にIPアドレスが変わる可能性がある。すると、11台の端末全てに対してファイルサーバーのアドレス割り振りが必要になる。まぁ、それが解決されたとしよう。次の問題は、「各家庭とプロバイダを通しての広域LANの間は、ADSLモデムが簡易ファイアウォールとなり、片道通行」という問題だ。俺がファイルサーバー立ち上げていても、広域LAN側からは入ってこれないと言うことだ。これは安心な設計ではあるが、俺自身の端末も同様にファイルサーバーには入れない。広域LAN側でDHCPによるアドレス割り振りを受けてから、外部への接続を切断し、その状態でサーバーにアクセスすれば、スイッチングハブのルーティングテーブルに「広域LANへ出ないで、家庭内部でファイルサーバーへルーティング」という技も使えるが、非常に面倒である。停電で全て最初からやり直しだ。ちなみに、6月から8月にかけて、雷雨等で年に数回は停電がある。

さて、万策尽きた思いであるが、そうは言ってられないので、強硬策を考える。昔、まだニッパッパのモデムでインターネット使ってたときに、数台の端末からインターネットが使えるようにプロキシを組んだ。Linux使って、NIC2枚差して、IP-Chain使った。あのサーバーが何処かにあったと思う。これを使えば、「家庭内LAN(今までの内部ネット)」と「広域LAN」を切り分けて、ファイルサーバーも今まで通り使える。よし、これだ!

って、探したけどなかった。たぶん捨てたんだと思う。・・・じゃぁ、古いDOS/Vマシン使って組むか?・・・そんな気力はない。

次策の模索。ファイルサーバーで使ってるMacOS-X10.4Serverには、NAT機能があったはず。さらに、以前「何か使い道がアルかもしれない」と、PowerMacG4用のPCI-NICカードをオクで手に入れていた。よし、これだ!

NIC挿して確認。何の苦労もなく認識。だから好きさ、Macintosh!!サーバ管理画面でNATを有効化する。簡単に終了。NICの設定画面で、従来のNICを内部に、新しく挿したNICを外部に割り振る。DHCP(内部用)とファイアウォールを設定する(NATで不可欠)。・・・すんなりとはつながらなかった。例えば、内部NICの「ルーターアドレス」は何を指定する?え?何を指定するの?外部用のNICのアドレス指定しても、当然サブネット外でNG。127.0.0.1か?・・・だめ。自分自身か?・・・だめ。結局正解は「空白」。ここが空白でも、NATが外部への要求を自動的に外部NICへ送ってくれる。一番の問題はDNS。「内部NIC」「外部NIC」「DHCP」と3箇所にDNSの設定が出てくる。当然全てに同じ設定入れればおkと思うだろ?違うんだな。正解は「内部NIC(ファイルサーバー用)」「DHCP(端末用)」のみにして、「外部NIC」には設定しない。何故かは分からないが、こうしたらつながった。

こうしてようやく「家庭内LAN(今までの内部ネット)」と「広域LAN(インターネット直結)」というネット構成を完成した。まだ解決できない問題は、NATの外部NIC側が、接続(プロバイダとのインターネット接続)を定期的に失うことだ。大体5分で接続が切れてしまう。接続が切れると、当然端末側はインターネットに接続できない。普通は、一旦接続したプロバイダとのインターネット接続は、こちらが明示的に切断しない限り切れない。が、なぜか切れてしまう。「再接続要求」という方法がファイルサーバー側にないので、仕方なく接続が切れたときは外部NICの「DHCPリースを更新」する。すると、一瞬でつながる。幸い、俺がメインで使っている端末(PowerMacG4-1.42GHz)の隣にファイルサーバーの操作系があるので、接続が切れる毎に、「DHCPリースを更新」ボタンを押す。不便だが、慣れてしまえばなんてことはない。ADSLの速さが得られた代償だ!と、既にこの状態でもいいと思ってしまう弱気の俺が居る。

今更ながらだけど、ADSLって速いな。職場では100Mbpsの光使っているけど、プライベートで7.7Mbps使ったことはない(職場でプライベートな使い方はできない)。youtubeがまともに見られるし!!いろんなサイトのインデックスに張ってあるFlash、パスしないで見られるし!!「今更ADSLに感動してる原始人」なんて思ってる奴らに言いたい。「ブロードバンドサービスを選ぶ自由があったり、光にしようかどうか迷うことができる、自分の幸福を噛みしめなさい。未だに8メガのADSLに素直に感動している恵まれない人たちも居るんですよ!」と。