では、実物を見てみよう。

相変わらず下手な写真であるが、その点の追求は無用だ。右のヒートシンクの下に「インテル入ってる」。

端子は二つ。右がディスプレイ端子で、専用二股ケーブルでMacintoshのディスプレイ端子と共にディスプレイに接続する。ソフトウェアによるエミュレーションではない、明確な証拠だ。左の端子はゲームポート。サウンドブラスター互換で、当時出ていたほとんど全てのジョイスティックが使用可能。ハードウェア実装型ならではである。音声関係は内側のボード上にあり、スピーカーや端子はMacintosh本体のモノを使う。秀逸な設計だ。わざわざWin用の周辺機器環境を整え直す必要はない。大半の周辺機器資産がMacintosh側と共有できる。

この黒いヒートシンク下にインテルが入ってる。

ほらね?Pentiumの100MHz。0.1GHzだ。昨今の2.16GHzとかと比べたら隔世の感があるが、クロック数の差だけでなく、キャッシュ容量の差、キャッシュ使用技術の差などにも隔世の感があり、今ではもう比べることすら無意味だ。しかしこのボード発売当時は、主流がPeintium166MHzだった。俺がメインで使ってたドザマシンは、最新から半年経ったPentium133MHz搭載のPC-9821Xt13だったから。当時の最速ではないが、コンシューマレベルでは最高峰のCPUだった、このPentium100MHzというのは。

RAMは、16MBをおごった。1枚しか挿せないし、オンボードは8MBだけだ。いくらWin95とは言え、がんばった。このボードを挿していたのはPowerMacintosh8500/120。当時、このマシンにメモリー16MBを4枚差して、2GBのHDDを増設し、17インチのソニートリニトロンをつけたら、送料込み(通販で買った)で100マソを越えた。メインマシンですら、16MBのメモリーを4枚しか増設できなかった。そんな時代に、このボードにおごった16MBのメモリーは、現在の1GBメモリーに匹敵する・・・いやいや、匹敵しないな。当時16MBメモリーの相場が8マソくらいだったから。
動作は、「すばらしい!」の一言だった。キー一発でWinとMacintoshを行き来でき、Winの作動速度はハードウェアネイティブだ。後日、VirtualPCを手に入れたとき、その遅さに落胆したが、その時代(ポリタンクG3の時代)には既にこのPC
Compatibility Cardは「新規OS上でのサポート外」だった。まぁ、いくらハードウェアネイティブ作動とはいえ、PCIカードに挿す以上はMacintosh側のシステムも使用するわけで、完全独立のWinマシンではない。確かこの後にAppleの政権交代があり、MacOSの対外供与政策廃止と同時に、このカードの命脈が尽きた。MacOSの対外供与政策廃止には涙し、PC
Compatibility Cardのサポート終了には号泣した。それほどこのカードは優れていた。
関係ないが、バイオ505が対外供与されたMacOSノート第1号の予定だったことは、今では忘れ去られている。そのことに号泣した。その当時のMacintoshノートは、明らかにWinマシン勢に後れを取っていたし、バイオ505は超カッチョよかった。しかし現在、MacOS対外供与政策廃止は、正解だったと思う。格安路線を突き進むWinマシン上でMacOSが走るのならば、割高のMacintoshに生き残る道はない。人間をコンピュータの奴隷から解放し、コンピュータが常に人間に奉仕してくれる環境を提供するMacOSを使いたければ、Macintoshが必要となる・・・だからPowerBookやiBookのような秀逸な(宇宙人に対して堂々と「地球のノートパソコンです!」と胸を張って紹介できる)ノートパソコンが誕生できたわけだ。ジョブスは正しかった。
今回、ハードウェアネイティブでWinが走るMacintoshを注文した以上、この過去最高の資産を公開せずにはいられなかった。ちなみに、MacBookProはまだ来ない。つか、「送ったぞ!」というAppleストアからの連絡もまだない。公約の「到着予定日最終」が25日(火)なので、それまでおとなしく待つしかない。関係ないが、Appleストアで注文後、Appleストアから確認の電話が入った(住所記載が間違っていたので)。その時に対応してくれた「遠藤さん」の対応は最高だった。丁寧で親身になってくれ、関係しないこちらの質問にも誠心誠意答えてくれた。通販の電話対応で、これほどの逸材に出会った経験はない。断言するが、「遠藤さん」は電話対応の世界ランキングにも日本代表で参加できる!!Appleのマニュアルや社員教育の質の高さを垣間見た思いだ。ちなみに、俺の人生で最悪の対応は某Microsoftのおねえさんだった。機械的ならまだ許せるが、「オマエがかけてくるような場所じゃネーんだYO!!ウゼーから早く電話切れよコノヤロー!天下の○icrosoftナメんじゃネーぞ!?」という気迫がビシビシ伝わってきて、訊きたいことの1%も訊けなかった。俺が某Windowsを嫌う原因の上から4番目だ。