エピソード1:マカーがドザになれるキャンプがあるらしい
俺はマカー(Macintosh派)である。でもPCの事始めはNECのPC-9801FAというi486-16MHzマシンだった。大昔の話だ・・・謙信と信玄が川中島で争いを繰り返していた頃の話だ。その後はPC-9821Ap2、PC-9821Xt13と、着実にドサ(MS-DOS派)マシンの道を歩んだ。OS的に見れば、Windows3.0を出発点としてWindows3.1、Windows95プレビュー版、正規版、Windows98と、これまた着実にドザ(Windows派)の道を歩んできた。正統派のゲイツ崇拝者だった。
そんな俺の前に現れたのがジョブスであり、Macintoshだった。当時のMacintoshは高価で、カタログや宣伝に多くの英語が含まれていて、自分にとっては敷居が高く、高嶺の花だった。WarGameという映画の中で使われていた、あこがれの対象でもあった。が、手に入らないと、人はその対象を非難するようになる・・・「あの葡萄は酸っぱいに違いない」と。俺もそうだった。
Win3.1のDOSレベルで、職場の中にはじめてネットワークを組んだ(地域で初だったと思う)。LANケーブルなどは、一番近い(でも2時間以上かかる)政令指定都市まで行かないと売っていなかった時代だ。config.sysとautoexec.batでコンベンショナルメモリーを低く抑えることに苦労した。Win95になったら、OSが標準でネットワーク機能を持っていた。感動した。・・・が、既にMacintoshはこんな機能を遙か昔から持っていたと知った。益々嫉妬した。そんなとき、職場にマカーが現れた。彼は骨の髄までマカーだった。彼とよく議論した・・・WinとMacintosh、どちらが優れているかと。不毛な闘いだった。が、その闘争を通して俺は、Macintoshを知らずして、Winの優秀さを証明は出来ないし、Macintoshを否定することも出来ないと悟った。かみさん金融を利用して、グレーボディモニタ一体型のPowerPCのPerformaを買った。
そのころ使ってたPC-9821Xt13(ペンティアム133MHz)に比べたら、クソのように遅かった。ま、そりゃ当然だろう、値段が4倍ほど違ったから。が、そのころ知り合った別のマカー(俺のマカー師匠)が、Macintosh版のPhotoshopをコピーしてくれた。Win版は持っていなかったから、俺のマルチメディア初体験はMacintoshから始まった。その後、同じPhotoshopのWin版を買って、より高速なWinマシンでPhotoshopを使うようになったが、すこぶる使い勝手が悪い。マシンが速くて処理が快適でも、根本的にPhotoshopはWin上では使いにくい。で、気がついたらPowerMacintosh8500/120を手に入れていた。ちなみに、このマシンも、前述のPC-9821Xt13も、RAM・HDD・モニタを含めて、総計で100万円を越えた。2台で、普通乗用車が1台買える値段だ。人間、墓まで金を持っていけないからね。
それ以降、俺はマカーな生活を送っている。最新マシンは、PowerMacG4-1.42GHzDUAL(RAM2GB)で、今自宅のメインマシンとして活躍している。G5は魅力だが、現状ではこのマシンで十分なので、まだ買っていない。職場では会社で買ってもらったG5(最上位機種)使ってるけどね。バカみたいに速いけどね。でも、コンピュータ関係の仕事してて、Macintosh一本槍ではイクナイ!!ということで、古いマシンでドザの方面も細々と続けてはいたけど、世の中の大半のひとがドザである以上、Winを無視は出来なくなってきた。そこで、職場にもXPが走る最新(だけど最安価)のマシンを入れてもらった。これで、職場で使うコンピュータの操作マニュアルとか作ったりしてる。でも、それだけではコンピュータの仕事は勤まらない。やはり、「使い倒す」ことが必要だ。徒然なるままにひぐらしいろんなソフトや環境を試して、知識やノウハウを吸収しないと、ドザたちを満足させられない。そのためには、自費で自分のマシンを手に入れることが必要だ。(関係ないけど、XPって、みんな使ってるんだろ!?マジでみんなあんなOS
でコンピュータ動かしてるのか?・・・みんなよほど優秀なのか我慢強いんだなw )
俺が好きなドザマシンは、IBMだ。特にThinkPadだ。Win3.1、つか、ほとんどDOS使用を前提にしていた時代に、俺は既にThinkPad230CS2というサブノートを手に入れて使っていたことは、余り知られていない。さらにその時代、「IBMでは太っている社員は重役になれない(自己管理が出来ないヤツはダメ!と)」という神話があり、IBMのイメージは良い方向で俺の心に根を張ってしまっていた。だからその後、マカーになってからでもThinkpad600Eとかを買ったりもした。だから、俺がドザ方面にも力を入れ直す記念すべき第1号にはThinkPadしかないと思った。・・・だがな、ThinkPadは既にIBMを離れ、中国のレノボという会社に移っていたのな。オマエら知ってたか?俺は知らなかった。
ショックだった。中国を悪く言ったり差別したりする気はないが、中国という国に対する製品イメージは、俺の中で最悪だ。大枚はたいて買う製品だから、どんなイメージ持とうが、個人の勝手と放置してくれ。・・・「IBMの」ThinkPadは、もう二度と手に入らない。だから言わんこっちゃない、マカーがドザになろうとするなんて無謀なんだ!!と絶望した。同時に、ドザマシン購入は無期延期になった。
一方のインテル入ってるMacintoshだが、全然興味は持てなかった。俺は比較的新しいマカーだから、680x0からPowerPCに時代が移ったときの混乱は知らない。が、OS9系からOS-Xへの混乱はくぐり抜けてきた。あんな混乱はもう沢山だ。苦労して構築してきたOS9の環境やノウハウという財産が、ほとんど全てパーになってしまった。インテル入ってるMacintoshを選択すると言うことは、その混乱を再び経験することになるような気がして、気が進まなかった。ロゼッタとか言うPowerPC系アプリをインテル入ってる系でも使えるような配慮があると言うが、所詮はネイティブではないわけで、それならばエミュレーションだ。そんなモノ要らない。今更、PhotoshopやIllustratorのインテル入ってる版を買い直す気はない・・・新バージョンの時に買い直すのならいいが。だから、インテル入ってるマシンへの興味はゼロだった。
しかし、インテル入ってるMacintoshでWindowsXPがネイティブ作動するとなると、話が違ってくる。「IBMの」ThinkPad亡き後で、デザインセンスのかけらもないWinノートを金を払ってまで買う気はなかったが、Appleデザインの、しかもPowerBook直系のマシンなら、大いに欲しい。高速性能にはそれほど惹かれない・・・職場でも自宅でも、速度に満足できるマシンがあるから。それよりも、AppleデザインのノートでXPが動かせることの魅力には抗しがたい。で、買った。
平成18年4月17日、財務省(かみさん)から予算を得、Appleストアで購入。