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オマエら、ぬこたんを軽く見ない方がいいぞ。ぬこたんはオマエらを軽く見てるぞ。

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2006年9月13日

エピソード26:怖いってw

 

俺の家は田舎にある。その田舎のさらに過疎な部分に俺の家はあるわけだが、いろんな動物が我が家の国境を侵犯する。犬、猫、カラス、ハト、スズメ、ツバメ、川鵜、しらさぎ、キジ、イタチ、キツネ、タヌキ、関西弁のおばはん、イノシシ、猿・・・等々。犬や猫の一部を除いて、全て野生なのが面白い。

さて、我が家の立地条件であるが、川と県道に挟まれた田園地帯。東から西にかけて「国道」「川」「家」「町道(農道)」「田んぼ」「県道」「山」となっている。川と家の間にはお決まりの竹藪があり、夜になるとそれなりの雰囲気を演出してくれる。ブレア・ウィッチ・プロジェクトに出てくる廃墟とその周辺、そんな雰囲気だ。慣れてしまえばなんてことはないが、竹藪にまつわるいろんな怖い話はあるのよな。動物とかじゃなくて、稲川さんが好きそうな方向で。またおはなしの方で語るが。今回はこの立地条件がポイント。

もう一つ大切なことが、我が家はいつの間にか「室内禁煙」になってしまったことだ。酒は飲まないし上手いと思ったこともないが、タバコは好きだ。つーか、ライフワークであると思っている。室内での喫煙は、2(かみさん、息子)対1(俺)という多数決によって禁じられた。仕方なく俺は庭へ出て吸っている。「多数決ってそんな民主主義、社会主義じゃないの?」という金卵での台詞は無視された。

さて本題である。さっき(9月13日0時頃)も、外へ出て吸っていた。庭の奥の方、竹藪の近くだ。ガレージと竹藪の間にある2畳程度の旧畑(現在は生ゴミ捨て場)の近くで、電球の明かりの下、小雨が止んだ後の空を眺め、川のせせらぎを聞きながら、KENTを吸っていた。ふと家の方を見ると、いつの間にかヌコ様が一匹、家の軒下でたたずんでいる。近所で飼われているヌコ様で、「なかなかよかヌコ様ばい」と俺がいつも呼んでいるヌコ様だ。飼い猫であるためか、あまり警戒心もなく、俺の部屋の明かりの中で、飛び交う虫たちを眺めている。

ついいつものクセで「なかなかよかヌコ様ばい」と口にしてしまった。ヌコ様はこちらへ顔を向けた。このヌコ様、飼い猫のくせになつきはしない。かといって極度の警戒もしない。いつも俺が近くへ寄っていくと、迷惑そうな顔をして逃げていくだけだ。今回もそんな「なんだ、お前かにゃ。タバコばっか吸って、全然成長のないヤツにゃ。」という顔をしていた。そんなヌコ様の顔を見るのが、俺は大好きだ。が、すぐにヌコ様の視線と顔の向きが、俺の右肩の背後辺りに移動した。ほんのちょっとした移動だったが、「俺の背後の竹藪の方を見た」ということは良く分かった。そのとたんヌコ様は警戒態勢に入った・・・背中が山のように反り返り、しっぽがピンと立って太くなり、頭の位置が低くなった。そして一目散に「俺から遠ざかる方向へ」逃げていった。

ヲイヲイ、カンベン シテクレヨ! オレノ ハイゴニ ナニガ イルンダ? こ、こ、怖いよ!!

全身に鳥肌が立ち、その場を動けなかった。何か恐ろしいもの、ヌコ様でさえ見ただけでびびって逃げてしまウヨウナ恐ロシイモノガ、今、俺ノ背後、竹藪ノホウニイル。背後を振り返る勇気なんかあるわけがない。そのまま前進して家の方へ移動をはじめ、絶対に背後を見ないようにして家に入った。当然完璧に施錠した。かみさんと息子にその話をすると「父さんの背後にいつも取り憑いてる死に神だろ?たまーに俺にも見えるよ(息子)」「タバコばっか吸ってるからそういうことになるの!!もうタバコ止めなさい!変なもの背後から出すようになったら終わりでしょw(かみさん)」と、冷たい。いつものことだが。

まだ蒸し暑い夜なので、俺の部屋の窓は夜間でも網戸にして開けてあるが、部屋に入ってすぐに閉め、カーテンも引いた。手元にある89式のバッテリーを確認して、ノーマルマグに全弾装填。予備としてUSPコンパクトにもガス充填して全弾装填。かなり以前におふくろからもらったお守りを引き出しの奥から引っ張り出して首にぶらさげ、聖書を窓際に置いた。部屋の全ての電気をONにし、いつも開けっ放しの部屋の出入り口も閉めて鍵をかけ、部屋にある鏡は外した。

迎撃の準備も整い落ち着いた俺は、万が一を考えて遺書を書くことにした。が、それ以前に、何故俺がこんなに追いつめられたのかを、克明に記録しておかなければならない(家族はアテにならないしw)。で、今これを書いている。なんかさっき、外で「ガサッ!」という音を聞いたような気がする。いつもの夜に比べ、外が静まりかえっているような気がする。さっき、風もないのに部屋のカーテンが動いたような気がする。さっきから何度後ろを振り返ったことだろうか。89式を膝に抱いて、俺は今おびえている。

さて、今後が問題だ。どうやって2階の寝室までたどり着くかだ。今はこうやってキーボードに向かっているから気が紛れていて恐怖は薄れているが、鳥肌は立ったままだ。部屋から出たとたんに「ギャーッ!」という事態になったら?階段の中程に窓があるが、そこからさっきヌコ様が見たものを俺が見てしまったら?寝室にたどり着いても、ドアを開けたら、さっきヌコ様が見たものがそこにいたら?・・・ダメだダメだ。今夜は寝室には行けない。軽挙妄動は避け、完璧な防御のこの部屋で今夜は寝よう。いや、寝ないで起きていよう。一晩中Gyao見てればいいや。

なぁ、「なかなかよかヌコ様ばい」君よ。君は何を見たの?俺を放置して逃げるなよw