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オマエら、ぬこたんを軽く見ない方がいいぞ。ぬこたんはオマエらを軽く見てるぞ。

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2006年2月13日

エピソード12:獲物

ネコは狩りをする。
家でグータラしてるだけでイイのに、わざわざ狩りをする。
我が家は地方県田舎郡僻地村大字山奥字字だらけという日本の秘境なので、狩りの獲物に不自由しない。
各種鳥類、小動物は当然として、サル・イノシシ・キツネ・タヌキ・イタチ・シカ・トトロなど、大型の獲物にも事欠かない。
残念ながら大型の獲物を仕留めたのは目にしていないが。

一番の狩り上手は誰か。
・・・ハイ、そうじゃないんですねぇ。
ネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)じゃないんですよね。
ペル(次男、完璧黒、普通の猫)なんだよね。
ネズミ、スズメのような一般的な獲物はもちろん、ツバメのようなハイレベルの獲物までいとも簡単に仕留めてしまう。
ウチへ来て1年未満のとき(子どもの頃)は、ペル(次男、完璧黒、普通の猫)はネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)より強かったから、家族も俺もペル(次男、完璧黒、普通の猫)が狩り上手だということを少しも不思議に思わなかった。

最も狩りの能力が優れているはずのネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)であるが、実は狩りが下手だった。
エピソード11の「立場逆転」後も、それは変わらなかった。
ネコ同士の喧嘩のウデと狩りのウデは、別物のようだ。
何度もスズメを仕留めようとするネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)を見たことがあるが、いつも間一髪で逃してしまう。
隠密性能もスピードも跳躍距離もあるのだが、いつも失敗していた。
ネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)の最も得意としたのはモグラであった。
直接狩っているところを見たことはないが、いつもモグラを咥えてきて、俺の部屋の勉強机の上で遊んで食っていた。
当然、食べ散らかした状態でそのまま放置である。
後片付けが全く出来ないところは、俺とそっくりだった。

ポミー(三男、しっぽ曲がり黒、ちょっとマヌケ)は虫専門。
秋になると、コオロギやバッタをつかまえては遊んでいた。
カマキリに鼻面を切られて悲鳴あげたりもしていた。
ネコとして不器用に生まれたポミー(三男、しっぽ曲がり黒、ちょっとマヌケ)は、自分の出来る範囲内で楽しんでいた。
端から見れば哀れだが、本人は心から楽しんでいたと思う。

イチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)は狩りが出来ない。
というか、狩りに成功したところを見たことがない。
代わりにヤツは、他人の獲物を自分の手柄にする術を知っていた。
ペル(次男、完璧黒、普通の猫)が仕留めたスズメ、ネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)のモグラ、ポミー(三男、しっぽ曲がり黒、ちょっとマヌケ)の昆虫などを、彼らが遊び終わって放置した後の死骸を咥え、母や父のところへ持って行き誇らしげに見せびらかす。
事実を知らない母と父は、 イチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)を褒め称える(運が良いと竹輪がもらえる)。
事実を知る俺だが、狩りが出来ないイチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)が不憫で、秘密を守り通し、母や父と共にイチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)を誉めてやった。

イチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)がいなくなって数年後、このことを母と父に打ち明けたら、「知ってたよそんなこと」という返事。「イチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)がかわいそうで、いつも気がつかない振りして誉めてやった」と。
母や父をちょっと尊敬した。

 

次回はDragの話をする。