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オマエら、ぬこたんを軽く見ない方がいいぞ。ぬこたんはオマエらを軽く見てるぞ。

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2006年2月12日

エピソード11:ネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)の復讐

ネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)は孤高の猫である。
媚びない、群れない、逃げない。
いつも孤独で、何度も他の三匹から集団いじめ(暴行)を受けていた。
一番身体の小さいネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)にとって、他の三匹がかりの攻撃は辛かったと思う。
しかし、決してネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)は負けなかった。
どんなにいじめられても逃げずに反撃し、決して勝つことはなかったが、負けを認めたこともなかった。

そのころ俺は、虐められることはなかったにせよ、世の中の多くの人とは考え方や好き嫌いの対象や感情が違うと感じ始めていた。
その「人との違い」を表面に出すことによって集団から浮いて集団から阻害されることを恐れる気持ちと、集団にこだわって妥協し自分を殺すことを嫌がる気持ちで揺れていた。
「集団の中でみんなと同じことを考え、同じことをしろ。それが最も楽な方法。」「集団に何の意味がある。オマエはオマエの道を行け。」
そんなことで悩んでいた俺にとって、孤高を貫くネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)はヒーローであり、先輩だった。

ネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)も、そんな俺の気持ちを理解したのか、俺になついた。
家族は、自分の都合(感情)で、猫を膝にだっこしたり、寝ている猫をなでたりしたが、俺はそういうことはしなかった。
ネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)の好きにさせ、俺から余計な干渉は一切しなかった。

月日は経ち、イチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)がいなくなり(別エピソード予定)、猫たちは大きくなった。
毎日接しているので気づかなかったが、確実に成長していた、
もう一つ気づかなかったことがあった。
三匹の位置である。

かつてネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)はいじめられっこで、イチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)がいなくなった後でもペル(次男、完璧黒、普通の猫)とポミー(三男、しっぽ曲がり黒、ちょっとマヌケ)の連合軍に圧倒されていた。身体が小さくて体重が軽いため、2対1ではまともな勝負にならないようだった。
三匹の序列は、ペル(次男、完璧黒、普通の猫)、 ポミー(三男、しっぽ曲がり黒、ちょっとマヌケ)、ネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)の順であった。

ある日気づいたのは、この力関係が逆転していることだった。
ペル(次男、完璧黒、普通の猫)はよく他の猫にちょっかいを出して遊ぶ。いつもネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)を組み伏せて遊んでいた。
が、そう言えば最近、 ペル(次男、完璧黒、普通の猫)の方がネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)に組み伏せられている。

体重差は相変わらずだが、スピードが桁違いなのだ。
ネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)のネコパンチと噛みつき攻撃はことごとくペル(次男、完璧黒、普通の猫)に有効打を与えるのだが、ペル(次男、完璧黒、普通の猫)の攻撃はほとんど成功しない。 ネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)が全てかわしてしまう。
大抵最後はのど仏に噛みつかれ、悲鳴を上げてペル(次男、完璧黒、普通の猫)の方がギブする。

ペル(次男、完璧黒、普通の猫)でさえこの有様だから、それより戦闘力が劣るポミー(三男、しっぽ曲がり黒、ちょっとマヌケ)では勝負にならない。以前は簡単にネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)を組み伏せていたポミー(三男、しっぽ曲がり黒、ちょっとマヌケ)だが、今では部屋の隅へ追い込まれ、頭を地面にすりつけてネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)を見上げ、命乞いするようになった。

完全に以前の関係は逆転した。

ネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)は我が家に君臨し、以前にも増して態度がでかくなった。ペル(次男、完璧黒、普通の猫)とポミー(三男、しっぽ曲がり黒、ちょっとマヌケ)はネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)の顔色を窺い、小さくなって生活するようになった。

いくら飼い猫であっても、動物の世界は弱肉強食。力が序列を決定し、序列が生活の全てを決定する。ペル(次男、完璧黒、普通の猫)が親父から「秘技家康」でせしめた魚の白身も、ネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)に睨まれて唸られれば、ペル(次男、完璧黒、普通の猫)は魚の白身の所有権を放棄する。人間にとっては嫌な光景であるが、ネコにとってはまったく正常な世界だ。

そんな三匹も、互いに身体を寄せ合い、いつも仲良く寝ている様子はほほえましかった。ネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)が虐められていた頃は、ネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)だけはいつも独りでTVの上で寝ていた。が、ネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)が政権を奪取してからは、みんなで仲良く寝るようになった。ネコジ(四男、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)の孤高のイメージは薄れたが、そのイメージを回復した件は、又別のエピソードで紹介する。

今回はちょっとシリアスな書き方をしてみたが、いつも笑える話ばかりではない。それがネコと共に生活すると言うことなのだ。ではしばらくお別れする。真面目モードで頭を使ったので、数日は寝込むことになると思う。

次回は獲物の話をする。