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オマエら、ぬこたんを軽く見ない方がいいぞ。ぬこたんはオマエらを軽く見てるぞ。

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2006年2月8日

エピソード6:ほしいにゃん!

俺が中学生時代、我が家ではこたつで食事をした(夏は電源外してこたつ布団は片付けていたからな、アホ家族じゃないからな)。
猫軍団は食卓の周りに集い、各種「ほしいにゃん!」攻撃をしかけてくる。特に魚が食卓に上がったときの攻撃はすさまじく、刺身になると攻撃は・・・、まぁ、待て待て。
これから順番に語ろう。

猫には魚である。
慣性の法則と同レベルの真理である。
焼き魚はにおいがきつく、調理中に攻撃が始まる。
母親の足下にまとわりつき、「なーご、なーご」「にゅゎぁーん、にゅゎぁーん」とほしいにゃん!攻撃を続ける。
このとき母の機嫌が良いと、おこぼれがもらえる場合もある。
普段はこの攻撃をしつこく続けると、素っ気なく「足蹴」攻撃を喰らう。
さて、食卓に並んだ香ばしい焼き魚、猫軍団の攻撃が本格化する。

トップを切るのはいつもイチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)である。
おもむろに食卓に上り、いきなり焼き魚に近づく。
周囲を警戒することもなく、見張りの俺も視界に入っていないようだ。
当然、見張りの俺は一瞬たじろぐ。
「今日は猫が食卓の魚を食べてもよかったっけ?」「何か特別な事情があったっけ?」俺の悪い頭が賢明に思考を続ける。
見張りの任務を授かっている俺をそこまで迷わせるほどイチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)の行動は自然で日常的である。
「やあ。今日どうだった?天気よかったから気分良いよね。学校で眠くなかった?俺なんか1日中昼寝だよ、昼寝。我ながらダラケてるよね。魚いただきますね。」てな感じである。
イチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)は既に最初の一口に成功している。
そこにイゼルローン最終兵器「トールハンマー(神々の鉄槌)」が「こら!!」という声と共に炸裂する・・・母親の「しゃもじで脳天一撃」攻撃である。
イチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)は「なに?なに?なに?なんで叩くわけ!?・・いきなりひどいよぉ」と言う表情を浮かべて、すごすごと食卓から降りる。
見張りである俺は「役立たず!」という懲戒処分を受け、イチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)を膝に抱いて「もうやめとけ」と慰める。

ポミー(三男、しっぽ曲がり黒、ちょっとマヌケ)は、そんな様子をビクビクと眺めながらも、慎重に攻撃開始地点(食卓下)まで歩を進めている。
攻撃開始地点に到達すると、周りを警戒し、突撃発起点(食卓端)に向けて、そーっと背伸びをする。
突撃発起点に両手が届くと、最終目標(魚)を目視確認し、後ろ足に力を込めて突撃体制を整える。
この時点でも周りの警戒は怠らない・・・しかし、その警戒態勢には隙がある。
というか隙だらけ、というかそもそも警戒態勢になっていない。
警戒態勢と言うより、単にビクビクしているだけだ。
浦安鉄筋家族の中で、教頭が校長の腕を餅つきの最中に粉砕しようと画策した話で、校長と教頭が役割を交代して校長が杵を持った時の教頭の様子と同じである・・・ビクビクビク。
意を決したポミー(三男、しっぽ曲がり黒、ちょっとマヌケ)が「全軍!突撃にぃ、移れぇーー!!」と突撃発起した瞬間に、トールハンマーがポミー(三男、しっぽ曲がり黒、ちょっとマヌケ)を襲う。
突撃発起点で突撃体制取ってからの待機時間(立ち上がって食卓に手をつき、魚を見つめていた時間)、長すぎ。
母親は最適タイミングで攻撃が出来るわけである。
思わぬ攻撃でパニクったポミー(三男、しっぽ曲がり黒、ちょっとマヌケ)も 膝でイチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)といっしょに保護し、見張りの俺は母親から2枚目のイエローカードを受け取る。

二匹の攻撃が失敗したのを観ていたペル(次男、完璧黒、普通の猫)は、正面攻撃を避け、いや、争いを避け、政治で解決する。
食卓に就いた父親に近寄り、講和交渉を始める。
「俺は可愛く振る舞うから、お前は俺に魚をくれ」と。
一番かわいがっているペル(次男、完璧黒、普通の猫)に「かわいさ一杯」交渉を受けた父親は、俺にも見せたことがないような甘い顔になって「よしよし」とペル(次男、完璧黒、普通の猫)を膝に抱き、おもむろに自分の魚を箸でくずし、白身の上等な部分をペル(次男、完璧黒、普通の猫)に与える。
さすが飼い猫の優等生ペル(次男、完璧黒、普通の猫)である。
それを見たイチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)とポミー(三男、しっぽ曲がり黒、ちょっとマヌケ)は、慰めてくれるだけの俺に未練もなく見切りをつけ、親父にすり寄りこびを売る。
だが、彼らに与えられるのは骨や皮といった部分のみである。
上等な部分が食べられるのは家康ことペル(次男、完璧黒、普通の猫)だけである。

さて、真打ちのネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)であるが、ヤツは未だ攻撃準備をするでもなく、親父へ媚びるわけでもない。
元々コイツは人間なんかに媚びを売らない。
定位置であるTVの上で眠たげな表情をしている。

図で、赤丸が魚の位置、緑で表している猫がネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)である。
ネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)は待っているのだ、下僕たるこの家の長男(俺)がある行動を起こすのを。

ネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)様の下僕たる俺が「いつものように」行動を起こした・・・魚の位置に注目。
下僕の忠実たる行動に満足しつつ、ネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)は行動を開始する。

ネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)は攻撃発起点に達し、全ての準備は整った。
さて、ネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)の行動は?

答えはこちら

以前、魚の位置がこの通りでなかったときの第一次攻撃は失敗に終わり、母親にトールハンマーを落とされていた。
その後、下僕の俺とネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)で共に考えたのがこの配置である。
ネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)は魚が欲しいし、俺は魚が嫌いだ。
双方の利害が一致した結果生まれた、芸術のような作戦である。

ネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)にしかできない、電光石火の早業である。

ネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)は媚びない。
自分の生きたいように生きる。
俺が生まれ変わって猫になれるのなら、ネコジ(四男チビ、白いパンツ黒猫、ニヒルな天才児)のようになりたい。
本音ではイチ(長男、ブチ、デブ、馬鹿、天然)も捨てがたいが。

次回は「四匹が三匹に」を公開汁。