エピソード2:猫にも個性がある
中学生の時、飼っていた黒猫が死んだ。老衰だったと思う。俺が生まれてから猫が絶えたことのない我が家では、悲しんでいる暇などなく、次の猫を手に入れようと奔走した。近所の家で、ちょうど猫が生まれたと聞いたので、姉がもらいに行った。すぐ姉は戻ってきた。「ブチが1匹、黒が3匹。黒はしっぽ曲がりと白いパンツと完璧黒。どれがいい?」と姉がは尋ねる。「完璧黒!」「完璧黒!」「完璧黒!」と、両親と俺の三票が入った。姉は再び猫屋敷へ向かった。で、四匹連れてきた。「だって、残った三匹、捨てられるんだもん!?」・・・姉はいつもそんないい加減なB型だった。
猫をくれた家の話では、「ブチ、完璧黒、しっぽ曲がり、白いパンツの順で生まれた。」とのことだった。マジ?お産手伝ったわけ?疑問はあったが、素直にその兄弟関係を事実として受け入れる。ちなみに、母猫の名は「猫衆・・・ねこしゅう」。考え抜かれたハイセンスかつHIPでHOPでアンニュイなネーミングだ。つか世の中なめてへん?
長男(イチ):白黒ブチ。体重重し。行動鈍し。頭脳悪し。運動神経無し。
次男(ペル):完璧黒猫。体重普通。行動普通。頭脳良い方。運動神経良い方。
三男(ポミー):しっぽ曲がり黒猫。体重やや軽し。行動緩慢。頭脳やや劣る。運動神経普通。
四男(ネコジ):白いパンツ黒猫。体重軽し。行動鋭敏。頭脳明晰。運動神経抜群。
表にまとめると、次のようになる(普通猫を100とする)。
|
外観 |
肥満度 |
行動 |
頭脳 |
運動 |
長男(イチ) |
白黒ブチ |
200 |
10 |
8 |
3 |
次男(ペル) |
完璧黒 |
100 |
100 |
100 |
100 |
三男(ポミー) |
しっぽ曲がり黒 |
80 |
40 |
30 |
50 |
四男(ネコジ) |
白いパンツ黒 |
60 |
100 |
200 |
200 |
それぞれの持ち味を記すと、イチ(長男、ブチ)はデブでマヌケ(「デブがマヌケ」とは言っていないから、デブは怒らないで欲しい)。バラエティー番組に出てる「おデブなタレントさん」と同じ位置。ペル(次男、完璧黒)はあらゆる点で普通ちょい上の「ペットとして優秀な可愛い猫」。ポミー(三男、しっぽ曲がり黒)はあらゆる点で普通ちょい下の要領悪い「守ってあげたい猫」。ネコジ(四男、白いパンツ黒猫)は何事も優秀でニヒルでクールな、一番「飼い猫として可愛くない香具師」。
次回は、それぞれの持ち味(性格)が顕著に異なる結果を導き出した実験について記す。