この銃をはじめて目にしたのは高校生の頃で、GUN誌だった。イチローの実銃レポートだった。空挺に対する当時の俺の認識は、銃を構えたまま落下傘で上空からフワリと降り立って、そのまま戦闘に移行する・・・こんな程度だった。FG42前期型のグリップが「上空から射撃しやすいように、角度を急にしてある」という説と同じ考え方だった。その後、いくら上手にソフトに降下しても「5m位の高さから落下傘無しでとび降りるのと同じくらいの衝撃がある」という話を聞き、ようやく「銃は壊れないように、または自らを銃で傷つけないように、ケースに入れる必要がある」とか、「長い銃は着地の際の受け身(転がることもある)の邪魔になる」ということを学び、「銃をコンパクトにする工夫」が空挺では必須であることを、社会人になってから知った。ここに至って、ようやく俺の中で二式テラの存在意義が理解できた。
この銃の時代に限らず、大抵の軍隊では空挺の銃を短くするために「銃自体を短縮する」「ストックを伸縮、または折曲げにする」という方法をとっているようだ。が、日本帝国陸軍は違ったぞ!と。銃を2分割して、組み立て後は通常の小銃と同じにしたぞ!と。しかも組み立てはネジ一本でおk!という驚異の技術だ。
と言いつつ、俺が社会人になってから得た情報では、「元になった九九短とは比べものにならない低精度・・・弾はどこへ飛んでいくのか分からない」というものだった。結合部分の剛性が足りず、発射の衝撃(震動)が弾道に悪影響を及ぼしているのではないか、とのことだった。とは言え、「この銃だけの個別の問題の可能性もある」という注釈も付いていたが。
有坂さん(本物じゃないですよね?あちらの世界からの投稿じゃないですよね?)は無可動実銃と比較してくれたので、非常に良く違いが分かる。チャンバーの付いている部分が、モデルガンと実銃では違っていたなんて、はじめて知った。そりゃそうだろうね、モデルガンのようにチャンバーが後部に付いていたら、高圧の発射ガスは、チャンバー直前にあるバレルとの結合部を全力で襲うことになるからね。実銃はさすがにバレルとチャンバーは一体になっている。ボルトが閉鎖されてロックされれば、テイクダウンピンにボルトのロックも加わって、2箇所での結合になるわけだ。さすが頭いい!!
ここで疑問があるんだけど、米英独って、大戦中には結局主力ライフルの空挺化はしていなかったの?SMGはあったけど、主力ではないはずだし。バンド・オブ・ブラザーズなんかでも、主力はガーランドだった。独逸はFGシリーズがあったけど、主力になる数も機会もなかったし。「空挺であっても、地上へ降りれば歩兵!主力ライフルで武装すべし!」「空挺が決定的切り札になる作戦は必要なし!正面から物量で押すべし!」と言う思想?日本は、乏しい資源(人的資源含む)を最大限に利用すべく、空挺でも苦労したんだね。
有坂さん、ありがとうございます。まだ他の貴重な情報を頂けると言うことで、ワクワクしながら待っています。よろしくお願いします!!