百式機関短銃は、サブマシンガンと言うより、自動小銃的な使い方を前提に開発されたらしい(着剣装置や二脚の装着など)。接近戦で圧倒的に有利になるという考えはなかったようで、日本では接近戦と言えば銃剣!!・・・まぁ、間違いではないが。接近戦と言っても、瞬時に間合いに入ることができる数メートルならいざ知らず、10メートル以上の接近戦の場合、銃剣が役に立つとは思えない。今だからこそできる後出しジャンケンではあるが、サブマシンガンが既に存在していた当時、このことに陸軍上層部は気づかなかった・・・新しいものを理解する能力がなかった、これは国の興亡以前に兵士が可哀想だ。戦後・・・今の日本がこの教訓を学んだとは思えないがw
さて、ポンタさんが自作されたこの百式は、後期型だ。後期型は、ようやく首脳部が接近戦の重要性に気づき、1.2メートルの三八式や銃剣では不利だと正しく認識してから作られた。着剣装置は簡易型に改められ、リアサイトも簡略化された。資源の不足で戦時急造という側面も否めないが、「これは小銃ではなく機関短銃」という正しい認識故であると思う。だから、前期型は自動小銃、後期型は機関短銃として作られたと断言してもいいのではないか?
後期型の特徴であるマズル付近(着剣装置)や、曲銃床を上手く作られていると思う。特に銃床を加工しやすい素材にし、木ストらしさを塗装で表現されているのは、よく考えられた工作方法であると思う。自分の工作レベルに応じて、工作方法を工夫する・・・フルスクラッチやっていて、非常に重要なポイントである。これを忘れて・・・自分のレベルにあった工作方法を採用しないで・・・フルスクラッチすると、ほぼ確実にお蔵入りとなる。また、一度お蔵入りしたプロジェクトは、決して再度日の目を見ることはないという法則も存在する。
ポンタさん、ありがとうございました。自分、某軽機関銃のフルスクラッチを断念(軌道修正?)したばかりですが、こうしてひとつの作品を完成されるお姿、尊敬します。これからもがんばって下さい!!