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てっぽうのページ

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百式機関短銃

 

 

自作:フルスクラッチ

本稿のレポート、写真は全て「ポンタ」さんのご提供です。

かの有名な100式短機関銃の後期型です。前期型と大きく異なっているのは、なんと言ってもやはり着剣装置なわけで。バレル下にあった着剣装置がなくなって、銃剣を直接バレルに着けるように変更されました。(生産効率up!)それとタンジェントサイトをやめたことでしょうか。(ちなみに改修三型は前期型後期型とストックの形状が異なっております)

さて、この銃を作った期間は1ヶ月。まずは資料集め。次に材料。塩ビパイプとファルカタ集成材(加工しやすかった)とパテだけ。全作業の20%は銃身製作。残りの80%はただひたすら木を削るだけでした。最後にストックに木目調塗装して完成です。

それと、これを作るときに編み出した簡易木目調塗装を書いておきます。あくまで参考程度にどうぞ。まず木目を消さないぐらいに、ある程度表面に木目の方向に沿った小さな傷を付けときます。次に、Mr,カラースプレーのウッドブラウンを薄く吹き付けます。そして、誰もが一度は使うであろう書道の墨汁を刷毛で塗ります。(もちろん、このとき先にカラースプレーを塗ってるので、墨汁は、はじかれます。)その次に、ティッシュを常に新しいのに変えながら、ある程度墨汁を拭き取ります。(もちろん木目や小さな傷に入り込んだのは墨汁は残して。)最後に墨汁が乾いてから、ホームセンターで売ってるウレタンニススプレーを薄く拭きつけます。(私は日本軍の銃床っぽさを出したかったのでチーク色にしました。)残念ながら、このウレタンニススプレーの皮膜は触るぐらいでは大丈夫ですが爪を立てたり、皮膜を厚くすると剥がれ易いので気をつけてください。

 

 
 

 

 

<kのコメント>

百式機関短銃は、サブマシンガンと言うより、自動小銃的な使い方を前提に開発されたらしい(着剣装置や二脚の装着など)。接近戦で圧倒的に有利になるという考えはなかったようで、日本では接近戦と言えば銃剣!!・・・まぁ、間違いではないが。接近戦と言っても、瞬時に間合いに入ることができる数メートルならいざ知らず、10メートル以上の接近戦の場合、銃剣が役に立つとは思えない。今だからこそできる後出しジャンケンではあるが、サブマシンガンが既に存在していた当時、このことに陸軍上層部は気づかなかった・・・新しいものを理解する能力がなかった、これは国の興亡以前に兵士が可哀想だ。戦後・・・今の日本がこの教訓を学んだとは思えないがw

さて、ポンタさんが自作されたこの百式は、後期型だ。後期型は、ようやく首脳部が接近戦の重要性に気づき、1.2メートルの三八式や銃剣では不利だと正しく認識してから作られた。着剣装置は簡易型に改められ、リアサイトも簡略化された。資源の不足で戦時急造という側面も否めないが、「これは小銃ではなく機関短銃」という正しい認識故であると思う。だから、前期型は自動小銃、後期型は機関短銃として作られたと断言してもいいのではないか?

後期型の特徴であるマズル付近(着剣装置)や、曲銃床を上手く作られていると思う。特に銃床を加工しやすい素材にし、木ストらしさを塗装で表現されているのは、よく考えられた工作方法であると思う。自分の工作レベルに応じて、工作方法を工夫する・・・フルスクラッチやっていて、非常に重要なポイントである。これを忘れて・・・自分のレベルにあった工作方法を採用しないで・・・フルスクラッチすると、ほぼ確実にお蔵入りとなる。また、一度お蔵入りしたプロジェクトは、決して再度日の目を見ることはないという法則も存在する。

ポンタさん、ありがとうございました。自分、某軽機関銃のフルスクラッチを断念(軌道修正?)したばかりですが、こうしてひとつの作品を完成されるお姿、尊敬します。これからもがんばって下さい!!