MP44が超有名なので、この銃が陰に隠れてしまっているような気がするが、この銃もMP44に劣らずすごい。
7.92mmの短小実包を開発したドイツ、やっぱただものじゃない。各国でも研究はされていたかもしれないが、実践に投入したのはドイツだけ。実戦で使う実包のパワーは、あげるという考えはあっても、あえて下げるという考えは出てこないと思う。二次被害が心配な警察用途ならいざ知らず、軍用ではパワーはあればあるほどいい。日本軍は6.5mmという小口径を採用していながらも、さらに1mm下げるのではなく、1.2mm大きくする方を選んだ。これが普通だと思う。さすがにドイツでも口径を下げることはしなかったが、装薬を減らした。パワーを下げた。市街戦では数百m(1km近い)の射程距離は不要だし、なにより自動車化によって平均交戦距離は近づいた。不要なパワーは削ればいい。パワー削ったらカートは小さくなって軽くなった・・・沢山持てる。反動が減ったので、フルオートでも撃てるようになった。・・・いいことづくめ。なぜかヒトラー、パワー至上主義でケチだったので、この銃やMP44を正式に認めなかった。かわいそうなのは前線の兵士。数で勝る敵と渡り合うためには、火力。とにかく火力。小火器で言えば単位時間内の弾数。これがあれば退却ができたかもしれない部隊や兵士は、結構いたんじゃないかな。
相田さんも書いているように、この銃はアサルトライフル黎明期(誕生期?)の銃。まだ固まったコンセプトはなく、SMG的だったりライフル的だったり。ボルトオープンからの発射はSMG的。連続射撃時の熱対策だろうが、ドイツはとにかく熱対策に熱心だ。MG42の銃身交換機構、FG42のフルオート(セミオートはボルトクローズからの発射だが、フルオート時はボルトオープンからの発射)、そしてこのMkb42(H)。でもなぜかMP44はボルトオープンからではない。さらに、熱対策の割には首をかしげざるを得ないハンドガード。ちょっと不思議な国だ。
でもさすがショウエイ製。知らずに「実銃ですよ」と写真示されたら、信じる。今は金ないので無理だけど、ショウエイコンプリートはライフワークの一つでもある。FG42前期しかまだ持っていないけど、将来はコンプリートしたい。
相田さん、いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします。