攻殻機動隊って、分からない人間には全然分かんない。自分はかつて「分からないサイド」だったことがあるので、「分からない」ことがよく分かる。でも、「分からない」が「分かる」になって知らないうちにそれを通り越して「病みつき」になってしまっている現在、攻殻機動隊のよさを理解できない連中に向かって「可愛そうに。人生の大きな楽しみの一つが、理解できないわけか」と哀れみの感情しかない。
そんな攻殻機動隊ファンの一人として、今回のこのマテバのモデル化は、青天の霹靂だった。というか、自分自身攻殻機動隊を何度も観ていながらも、このマテバは見逃していた。今は猛烈に反省しいる。
しかしこのマテバという銃、はじめはバレルが下と言うことに気づかなかった。リボルバーの世界では、バレル下のエジェクター・ロッド・シェラウドが銃口まで伸びているのが流行で、「さすが先駆者パイソン!」と訳の分からないことを叫んでしまう今日この頃だったのだが、だからこそこの銃も「バランスウェイトを兼ねてやたらとシェラウドが大きい銃」としか思わなかった。が、前からの写真を見て「オーマイガッ!!」と。マズルがないではないか!!・・・とw
右手の親指と人差し指の交点の部分で銃を支えるが、そこから上下方向にバレルの軸線が近ければ近いほど、銃口の跳ね上がりは小さくなる。モーメントを考えれば一目瞭然。この方面で成功した例がグロック。オートだったら、機関部の工夫で何とかなるのだが、リボルバーだとそうはいかない。だから普通は誰もそんなことを工夫しないのだが、イタリアのマテバ社はやっちゃった。逆転の発想で、シリンダーの上側ではなく下側のカートを撃発すればいい!!と。
めでたくバレルの軸線は、親指と人差し指の交点に限りなく近くなったわけだが、今度はパララックスが大きくなってしまった。M14とM16の関係のような。・・・実際、大きくなったパララックスがどれだけ射撃に影響するのか、マテバに関して知りたいものだ。
さて、今回マルシンが発売したこのマテバ。実銃自体が「・・・やっちゃったのかよw」と、ある意味珍しがられ珍重される銃なのだが、そのTOYガン化にマジで取り組んで実現してしまったのは、やはりマルシンだった。「・・・やっちゃったのかよw」と常に言われ続け、そのことに快感さえ覚えているとしか考えられないラインナップのマルシンである。さすがマルシン!! KSCがやってるGSGとのコラボは、自社スタンダード製品のカスタムに過ぎない。が、このマテバは完全新規である。やはり、さすがマルシン!!と言わざるを得ない。
電脳化もせず、生身の体で他部署から転属になったトグサ。彼のそんな「自然な人間」に近いキャラは、オート全盛の現在にあえてリボルバーを持つという人間くささに、完全にマッチしている。ただ、攻殻機動隊という作品の性格上、ごく普通のリボルバーでは沈みすぎる・・・ということで、マテバ。なるほど。トグサの位置づけは、戦闘要員ではなく、地道な捜査要員。バカスカと撃ち合うのではなく、ここ一発の重要場面で撃つのみ。なるほど、リボルバーが似合うな。ネット上では「9mmパラはミスマッチ」という意見を良く目にするが、そうは思わない。トグサには、拳銃の威力が必要なわけではないし、そもそも彼には火力(即射性、連射性、威力)は似合わない。「普通の」リボルバーで言えば、M10の4インチの位置づけ?・・・トグサに似合うと思うが。
今回、長ものを仕入れすぎて資金が無く、涙をのんだ。モデッロTやEBRでもそうだったが、旬は逃しても、いつか手に入れたい銃だ。
おっぱいメロンさん、ありがとうございました。写真で紹介いただいたので、マテバの魅力が良く理解できました。またこれからもよろしくお願いいたします。