今回は電動「M1928A1」(シカゴタイプライター)を投稿させて下さい。
CAW社の換装パーツを買いそびれたがどうしても「シカゴ・・・」が欲しくて・・・と請われて製作しました。MGC製のモデルガンとマルイ製のM1A1を持っているので、出来る事なら合体させて欲しいと言う事でした。
私は最初合体と聞いて、モデルガンをベースに電動ギミックをコンプリートする事で頭の中に構造図が広がり、割と簡単に事は進むと考えていました特にバレルの「冷却フィン」を新たに新造する事は技術的にも時間的にも遠回りになる事は目に見えていましたので、モデルガンのバレルを使える事が依頼を了承した一番の条件でした。
で、実際に物を受け取りモデルガンの解体を進めましたが、困った事に一番の条件であった筈の「バレル」が使えない現実に直面してしまいました。後になって落ち着いて考えてみますと、モデルガンのバレルを電動ガンに使うと言う事は、わざわざ埋めてあるバレルの中をくり抜くと言う一番やってはいけない事をやらかす事で、メーカーとしても簡単に抜けるような構造にはしていない筈です。実際にとても歯が立たない硬い材質の金属がインモールドしてありました。
さて、これでバレルが使えないと言う事はモデルガンの構造から言いますと、「一体成型」物でして、アッパーレシーバーも使えないと言う結論になりました。こで早くも最初にイメージした「モデルガンベースの・・・」と言う条件がもろくも音を発てて崩れ去っていきました。残ったのは重い脱力感と焦燥感だけでした。
「戦後、廃墟の日本をここまで急成長をさせたのは、職人の不橈不屈の精神があったからこそ・・・・」「必要は発明の父だ!」「ない物は私が造る!」と息巻いたかどうかは知りませんが、「M1A1」ベースの「M1928A1」の製作が開始されました。
途中に丁度良いタイミングでCAW社の「カッツコンペンセイター」のサイトが破損してしまったので修理をして下さい。と言う依頼も有り、CAW社のバレルとアッパーレシーバーを舐め回す機会に恵まれた事から色々な情報を得る事が出来ました。さらにCAW社のパーツはあくまでアッパーレシーバーのみであり、ロアレシーバーやバットストック、セレクター、セーフティーは「M1A1」のままだと言う情報も頂きました。
マガジンですが、雰囲気はどうしても「ドラムマガジン」でと依頼されて、モデルガンのドラムマガジンが一緒に送られて来ました。ここでも後でよくよく考えると、ボックスマガジンの装填は下からですが、ドラムマガジンは左横からでした。モデルガンならボルトを後ろに引いてしまえばマガジンの装填に邪魔な物は有りませんが、こと電動ガンとなると「チャンバー」と言う名の邪魔物があり、横からマガジンを挿してBB弾が供給されるなどと都合のいい構造にはなっていません。
「ドラムマガジンと言えども、横からの装填は出来ません。」とお断りの連絡をしたところ、「どこかで横から装填するのを見たが・・・」と言うお叱りを受ける始末で、技術力の無さが露呈してしまいました。「何〜!横から給弾!」とまたまたよくよく考えてみますと、「出来ない訳でもないか?」と閃きはありましたので横からの装填で製作が開始されました。
そして、「何故CAW社はドラムマガジンが発売出来なかったか?」と言う答えが、このマガジンを製作して見て良く分かりました。あくまで私の推測の域を出ませんが、
- マルイ製M1A1のロアレシーバーのマガジンキャッチ部にドラムマガジン用の
溝が無い。
- 溝を掘ったとしてもメカボのケースが干渉する。
が挙げられます。横からの装填に似せた下からの装填にすれば可能であったと思われますが、マニアが
許しませんよね!
トンプソンについての私の歴史はやはり「コンバット」のサンダース軍曹が持っていた「トミーガン」ですね。細かいパーツがどうのこうのではなく、マガジンとグリップとストックの大まかな形が「機関銃」としていつの間にか頭の中に刷り込まれていました。そして、映画「史上最大の作戦」を映画館で見た時、空挺隊員が持っていた「トミー
ガン」を見て、「あれ?先っぽがない」「変なトミーガンを使っている?」とある意味子供ながらのカルチャーショックでした。映画自体が当時とてつもないセンセーショナルな物でしたので、ほんとの軍隊は「こっちのトミーガンを使ってるんだ」「サンダース軍曹はヒーローなので、ギャングの物を特別に使っているんだ」と勝手に思い込んでしまった訳です。それから、ホウキの柄と板切れで「M1A1」を造って「戦争ごっこ」をした覚えがあります。
ですから私は、東京マルイが電動「M1A1」を出してくれた時、米軍装備にはこれだ!とすぐに買い求めました。もうこの時は「サンダース軍曹」のトミーガンは実はどうでも良くって、CAW社の換装パーツは欲しいとも思いませんでした。
今回、この依頼を受けた事で少し「好き」になって来ました。