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てっぽうのページ

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M1917 S&W ハンドエジェクター 英国軍仕様

 

 

タナカ製:モデルガン

11.4mm ー 9mm = 2.4mmである。2.4mmという大きさは,一般的によく分かる表現をすると「PowerMacG4-Grafite付属の黒水まんじゅうマウスのUSBケーブルの太さ」である。この大きさを「大きい」と見るか「小さい」と見るかは,人によって異なる。「CD or DVDディスクの厚さが1.2mmなので、2枚分の厚さは厚いっしょ!」という意見もあれば,「2.4mmの厚さなど,秒速1.8km、貫徹力650mmを誇るラインメタル社の120mmL11戦車砲から発射されるAPFS/DSの前には無力でしょう!」 という意見もあるだろう。どちらの意見もそのとおりなのだが,どちらの意見も無意味だ。俺は「45ACPと9MMパラベラムの話をしている」からだ。人の話はよく聞け。俺はわがままなのだから空気を読め。・・・ああ大丈夫、人格崩壊は今に始まったことではないから。

むかしむかし,自分以外の国を国とは思わない某米国という国が、2.54mm × 0.357 = 9mmのたまを使って、野蛮人たちを成敗しましたとさ。野蛮人たちに向けて9mmの弾を発射して当てているのに,野蛮人たちの突撃はなかなか止まりませんでしたとさ。「全てはパワー。この世はパワー。」が信条の某米国は戦慄し,弾を昔、自国内の野蛮人(羽飾りとフェイスペイントの野蛮人)を成敗した時と同じ大きさに戻しましたとさ。その大きな弾は,1発で野蛮人の突撃を止めましたとさ。大きいことはいいことだ。

エンジンの出力が足りなければ?・・・排気量を増やせばよい。排気量を増やすとは?・・・エンジンを大きくするといい。5リットルにすればいい。ん?まだ足りないの?じゃぁ、6.4リットルではどう?・・・速い?やっぱり?俺って天才だ。バルブをシリンダーの上に持っていったり,カムを2本にしたり,バルブの数増やしたり・・・面倒じゃね? 大きくすればいいんだよ,大きくすれば!!大きいことはいいことだ。

これだから、アメ公は困る。大雑把だとかいい加減だとか大体良ければ全て良いとか言われているが、まったくその通りで,こんな不真面目な生きざまでは,先が思いやられる・・・はずなのだが、何故か世界一の大国だしw 実際、他の工業製品を見てみると,結構繊細で、決してこの国がいい加減に生きてきたわけではないことが分かる。

では、そのルーツの英国はどうだろうか。この国は結構ちまちましてて吝嗇家でシブチンでケチだから、大雑把とは見られていない。が、細かいところをよく見ていくと,結構大雑把だ。アイディアに斬新さがなく,たとえ斬新なアイディアが根底にあったとしても,出来上がったものは古風で大雑把だ。しかも、反省しない。絶対に反省しない。自分が悪くても絶対に認めない。某餃子の国と同じだ。だからこの国も,「小さい弾のピストルじゃ、パワー不足!」と、38口径を採用しながらも,455口径を同時採用し,使った。パワー不足の38口径の方を「口径はそのままでパワーアップする」という思考回路がない。まったく,観てて飽きない国だ。

で、米国は45口径をサイドアームに採用し、市場最も成功した傑作・・・M1911、通称ガバメント・・・これで2度の大戦を戦った。英国は,38口径のエンフィールドNo2(ウェブリー)を最初の大戦後に採用したが、その威力不足を米国同様認識していたのか,455口径も使い続けた。455口径で有名なのがウェブリー・オート1912。こんな不恰好なオートは空前絶後で,大抵の英国重を受け入れられる自分でさえ,この拳銃は辛い。もうひとつ、リボルバー・オート。オートのように上部がスライドするオートで,ハンマーコッキングとシリンダー回転が自動で行われ,常にシングルアクションの滑らかな射撃を約束してくれる・・・正常に作動したときはw 英国の銃器は好きだが,エンフィールドN02以外の拳銃は,英国の暗黒史であり、自分的には封印対象だ。

そんな状況で,2度の大戦の両方で「独と真っ向から組んでガチ勝負して挫けなかった」英国は,深刻な武器不足の常連国だった。米国でさえガバメント不足に陥り,緊急採用したM1917、いわんや英国をば!!ということで、英国も米国製緊急配備リボルバーを採用した(というか、先に採用したのは英国の方だったが、まぁそんな小さなことは俺には関係ないということでw)。それが今回のM1917英国軍仕様だ。

米国型は,ガバメント用の45ACP弾を使用したため,ハーフムーンクリップが必要になったが,英国軍仕様では,弾薬は自国製455口径を使用、元々リボルバー用のリムド弾だったので、ハーフムーンクリップは不要。

映画インディージョーンズでは,この銃の4インチカスタムモデルを使っている。Fサイトは、その後のM29によく似たものとなっている。フレームが同じN番なんだから、それほど滑稽でもないが,やはりこの銃のFサイトは,古風な半円または欠けた半円が美しい。

 

1917年ということは,2010-1917=93年。今年で93歳。俺のおふくろは今年87歳だから、おふくろが生まれたときにすでに6歳になっていた銃である。だから何と言うこともないがw

 

さすがデカいNフレーム。グリップやバレルに比べてシリンダーがでかい。

 

説明書はM29と共通。なるほど。

 

パーツ表は専用になっている。

 

しっかりと英国軍バージョンと。

 

半丸Fサイトが最高。

 

手の込んだ加工のサムピース。

 

樹脂なのが残念なチェッカーグリップ。

 

S&Wマーク。正規許可製品の特権。サイドプレートの上側にもスクリューがある5スクリュー仕様。サイドプレートの4本に加え,トリガーガード前のスクリューで計5本。

 

でかいシリンダー。M29と同等サイズ。ただし、前後長はわずかに短い。まぁ、ずんぐりむっくりの45ACPとか455British用だから。

 

455British。元々リボルバー用のリムドカートなので,米国仕様のハーフムーンクリップ不要。これだけでかいリムが隣同士触れ合わんばかりの光景は絶景。

 

ずんぐりむっくりどんぐりのような455British。

 

45ACPと。モデルガンのシリンダーにはインサートがある関係で,455Britishのカートも弾頭も,共に短くなっている。

 

45ACPを装填(上の3発)。モデルガンインサートで止まっているので、適正な位置にあるように見えるが、実際にはあと1mmほど中へ入る。

 

シリンダー内部。シルバーに見えるのがモデルガンインサート。そのインサートの少し手前に,実銃と同じ「カートをそこで止める段差」がある。この深さは,シリンダー後部より約20.1mm。45ACPのカート長とぴったり同じ。つまり、インサートがなければ,45ACPはこの段差まで入り,カートの尻はシリンダーの尻とツライチになる。

 

この銃付属のカートは,弾頭が黒染めだったが。自分的にはそれは許せない。455Britishの弾頭は鉛色でなければならない。太古の昔からのお約束だ。なお、455Britishの方が45ACPよりも弾頭が細く見えるが,実際には0.1mmまでぴったり同じ(11.4mm)。

 

迫力の大口径マズル。M29とかを見慣れた目には「肉厚薄!w」と思えるが,M1911とほぼ同じ肉厚。いくら大口径でも,マグナムではない通常弾、これだけの肉厚で十分ということか。でかいNフレームなので,銃の重さを少しでも軽くするためだろう。

 

シンプルなハンマー。シンプルなRサイト。

 

古風な軍用銃(官給品)のお約束、ランヤードリング。

 

複雑な形状の「エジェクターロッド部分の銃身下部」。エジェクターロッドの先端の膨らみも最高。

 

スラリと伸びた、無駄に長い銃身。M29と同じ6.5inchなのだが、バレルが細く,上部のリブもなく、グリップが最小のサービスグリップであるため、やたらと長く感じてしまう。

 

英国制式3兄弟。これ以外は欲しくない(オートとかオートリボルバーとかw)。

 

弟分のM10と、そのライバルポリスポジティブと。38口径と45口径の迫力の違いを感じて欲しい。

 

455Britishと38British。

 

同口径、同年代。

 

 

非常に人気があるM1911ではあるが、自分はM1917も同じように好きだ。大雑把だとかいい加減だとか誤差がメートル単位だとかファーストフードおかずにパン食べてるとかさんざん言われているが(主に言っているのは俺だけだがw)、やっぱすごい。100年近く経っても、まだ人気があり、まだまだ現役でもいっちゃえそうな工業製品って,そうざらにはないと思う。基本設計の優秀さの証明だ。だからこれからは「ちょっと大雑把っぽい」「ちょっといい加減気味」程度の表現にとどめるべきだ。みんな気をつけようね。(?)