かつてMGCは王者だった。俺が小遣いをせっせと貢ぎ続けては崇拝して止まなかったMGCは、王者だった。この銃を最後に、俺はこの世界からしばらく姿を消した（車とコンピュータの世界へ）。雑誌も買わなくなり、別の方面へせっせと小遣いを貢ぎ続けた。気がついたら、王者は引退していた。王者の銃で俺が手に入れた最後の銃が、これである。
この前作の17は、既に知人に売ってしまった。しかし、その17を手に入れたときに感動は忘れない。俺が手にした生まれて初めてのガス風呂だった。小気味よくビシビシと手に伝わる反動は、かつて1時間かけて火薬を仕込み、数十秒で撃ち尽くし、２時間の後始末が必要だった火薬のブローバックより確実で、手軽に撃てた。17の後に出たスライドHWのこいつは、スライドが重くなったにも拘わらず、17よりもスライド速度が速く、反動を味わうことが出来た。最近買ったUSPコンパクトよりも反動がある。アフターシュートでないので、実射性能はそこそこということと、エジェクションポートを開けた姿がリアルではないという欠点はあるが、設計年代は勝負にならないほどこちらの方が古い。古いのに、今でも反動については十分以上に勝負できる一品である。これを撃ったことがない人は、棺桶へ入るまでに一度体験しておくべきだと思う。それくらいコイツの反動はすごい。
知らぬうちに消えてしまったMGCだが、復活を願うのは俺だけだろうか。今の新生MGCは、過去の遺産を再販するだけの存在で、MGCではない。MGCはフロンティアであってほしい。
俺の世界ではMGC最後の一品。コイツだけはオクに出すことはない。
やっぱ、えぇわぁー・・・
