20年くらい前のGUN誌で掲載された記憶がある。その時は、何とも不格好なガバだと思った。でも、見慣れてくると、ノーマルサイズのガバが間延びしたように見えてしまうようになり、いつものごとくこの銃が大好きになった。
マルシンから組み立てるモデルガンと固定スライドのこの銃があったが、固定スライドなど要らない。モデルガンは発火後の後片付けがイヤで、ガスブロでほしかったで、今、その夢が叶った。
持った瞬間、その外観とは裏はらに、ずしりと手に重さを感じる。マルゼンガバよりも凝縮感がある。重さの大半はグリップ部分なのは仕方ないが、マガジンは意外に軽く、マガジンのみが重量を稼いでいるのではない。
中に仕込まれた金属フレームは、スライドストップの削れ防止にも使われている。スライドストップレバーの外側のノッチはダミーで、内側のノッチが金属フレームと噛み合うようになっている。ハードな使われ方をして、その内側の金属フレームやスライドストップレバーが変形してしまっても、その部分のみのパーツ交換で済む。構造に興味のない人にとっては何の意味もない工夫だが、撃ちまくって遊んでいるうちに高価なスライド交換となってしまうことはなく、真にユーザーのためを思ってくれていると思う。さすがマルイである。
グリップ後部のハウジングには、「実銃と同じように」ラバーコーティングが施されている。実銃がそうなのか知らないので何とも言えないが、握った感触はいい。
トリガーとハンマー、(アウター)バレル、マガジンにはメッキが施されている。ほどよいアクセントとなっていて、おk。
撃ち心地は、良くも悪くもマルイ。マルゼンガバのようなモッタリ感はなく、素早いリコイルがビシッ!とくる。が、KSCのUSPコンパクトのような「リコイルの重さ」はない。KSCのソードカトラスに近い感覚だ。燃費は悪く、1マガジン(18発)を撃ちきると、ほぼ空になる。スライドの動きが渋い。まだ馴染んでないせいだと思うが、スライドを引いて、半分戻してから手を放すと、スライドが戻りきらない。で、フレーム側のレール部分を研いだ。削るのではなく「研ぐ」だ。スムーズに動くようになった。
実射性能も、良くも悪くもマルイ。ソードカトラスよりも飛距離は出ないが、ホップは素直でさすがマルイ。無理にホップをかけて飛距離を稼いでいる感じはない。ホップダイヤルにアクセスするためには分解が必要で、正直面倒。自分は強めにホップをかけているが、素直な弾道なので、一度設定が決まれば、あとは気温と弾の種類の変化に合わせるだけなので、まぁ頻繁に設定を変える訳じゃないからいいけど。外観を変に弄らなかっただけましかも。
外観はブラスト。強すぎない上品なブラストで、しかもオイル仕上げ。シリコンオイルで表面が磨いてある。よくあるABSのツヤツヤ外観そのままモデルより、ずっといい仕上げだ。パーティングラインは消してあるが、KSCソードカトラス(バレルを除く)のようなきれいな消し方ではない。消した部分が平らになっている(涙)。マルイらしからぬ中途半端さ。表面の売らすと仕上げのことを考えると、自分で修正するのは抵抗があるし、正直今俺はマルイを憎んでいる。やるならちゃんとやれ!!マルイは俺達ユーザを「どーせパーティングラインを消した後の表面なんて、気づくヤツなんていないさ!!パーティングラインが消えてる!!と狂喜の涙さ!!ユーザなんてバカだからな」と?嘘だと思ったら製品見てみろ、マルイ社長!!
ハンマーもパーティングラインが消してあるが、一番目立つハンマー頭頂部のラインは、しっかりと残っている。
もう一つ外観で気になるのが、スライド左側面ちょうどど真ん中あたり、エジェクションポート付近に、縦にくぼみがあること。ヒケだ。ブラスト仕上げなので、観ただけでは分かりづらいが、触ってみるとすぐ分かるほどへこんでいる。これがマルイの製品か?マルイって最近、検品の基準ユルなってない?
結構厳しいこと書いたが、普通なら書かない、こんな細かいこと。全て、今回のマルイデトニクスが「素晴らしい」故に言いたくなった小言。ユーザーが気づかないような細かい気配りやこだわりに満ちた製品だからこそ、こう言いたい「ここまでこだわったのなら、最後までこだわり抜いてよ!!」「中途半端!!」と。ソードカトラスのバレルのパーティングラインもそうだったけど、何故最後の詰めが甘い?・・・素晴らしいできだからこそ悔しい。とくにメッキパーツに関しては、個人ではどうしようもない。
マルイには、今後も精進して欲しいものである。