第2次大戦で連合国を勝利に導いたガーランド。一度装填したカートクリップは、途中でのカート補充ができないという欠点を有していたのにもかかわらず、第2次大戦の最大功労者として褒め称えられた。余りにも偉大だったので、独逸で芽生えて露西亜で開花し、英国が完成させた突撃銃なる怪しげな「所詮はバトルプルーフされていないバッタもの」を米国は無視し、ガーランドの改良型であるM14を採用したのは、周知の事実である。確かにM14は1950年代という時点では「最新の格好良さ」だが、米国バリバリのデザイン。ファイヤーバードやカマロと同じ匂いがする。ここへ伊太利亜が割り込んできた。
当初は敵国だったが、途中から味方に変わったこの国。かつてはローマ帝国として全世界の頂上に君臨したが、帝国が去った後は温暖な気候と肥沃な大地に支えられ、そこで育った人たちの脳内を全てお花畑にしてしまったという、曰く付きの国。飯はうまいし、バールの珈琲もうまいし、海産物もうまい。ましてやピッツァやパスタは死ぬほど美味いし、デザートも天国の味。値段も高くはないし、禁煙の店も少ない。男は陽気だし、女は優しい。「なに戦ってるわけよ。うまい飯いっしょに食おうよ。」と。そんな国が「旧敵国の主力ライフルを近代化しましたよ。・・・夕食はママンのつくったポロネーゼだよ。」とやっちゃったのがこの銃。
「なぜイタ公が手がけると、どんなモノでもかっこよくなってしまうのだろうか?」という疑問は、永遠の命題である。同時に、この命題自体が間違ってもいる。「イタ公が手がけたモノがかっこいいのではなく、かっこいいモノとはイタ公が手がけたモノ」というのが正解なのである。ガバとM92F、ドナルドのカーチスR3C-0とポルコのサボイアS.21、そしてM14と今回の主役BM59。片や「何でもかんでも機能一点張りで垢抜けない国」、片や「何でもかんでも格好良くしないと気が済まない国」。・・・強いのは前者であることは、歴史が証明している。が、人生の勝者はどちら?・・・おれは伊太利亜の方だと思う。人生、楽しんだ者の勝ちじゃないだろうか?
散々なことを言われている(主に言っているのは俺だがw)伊太利亜であるが、彼らにも言い分はある・・・「ねえねえパアパ、ワインちょうだい!」。・・・おまえら、少しはまじめに生きろよw
さて、この銃、俺はデアゴスティーニの週刊ワールドウェポン(全巻揃えた)で、初めて知った。伊太利亜版M14。イタ公が手がけたんだから、デザイン大賞は当然。カート収容部の底板をぶち抜いてマガジンを装着・・・普通ならその無理矢理感は全体のデザインを壊して駄銃コースまっしぐらなのだが、不思議なことにイタ公が手がけるとやたらとかっこいいしw ガーランドの垢抜けない前部ハンドガードは、M14と同じように外されているが、その先に出ているバレル回りはM14の100倍はかっこいい(当社比)。二脚も無駄に微妙なカーブを見せていて格好良すぎ。
何故日本のTOYガン製造各社は、伊太利亜の銃に対して冷たいのか。冷遇されている英国よりも冷たい扱いだと思う。第2次大戦の伊太利亜の銃なんてM1934しか出てないしw だったら各社、マルシンガーランドとマルイM14の同時発売を機会に、BM59出しなさい。そうしなさい。・・・そう思ってたのだが、全然出る気配もない。これだからトマトを生で食べる国はダメなんだ。
自作しかない!と決意してた俺だが、生憎「脳内お花畑」の部分のみ伊太利亜に学んだ俺には敷居が高かった。今回MG42さんがやってくれました。伊太利亜版M14、何故こんなにかっこいい? しかもM42さん、どうしてこれだけ工作が上手い? もしかして美味いイタメシ食ってる?これだけ上手で完成度の高すぎる作品見ちゃったら、もう自分で作る意味が見いだせなくなる。だからMG42さんにいただいた投稿作品愛でながら、自分でトマトを煮込んだ自作ソースのパスタを食べるわけである。トマトは生で食べるとこの世の味だが、加熱すると天国の味になる。すると、現世であくせくしている自分がばからしくなって、食後にリストランテ・パラディーゾやらARIAやらを鑑賞するわけで、癒されすぎ。まさに天国。
MG42さん、FN-MAGに続いての神作品、ご投稿ありがとうございます。まさかBM59のTOYガンを目にする日が来ようとは、思ってもいませんでした。全人類の脳内がお花畑(蝶々付)になるように祈りつつ、感謝いたします。これからもよろしくお願いします。