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てっぽうのページ

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M1ガーランド

 

 

ハドソン製:モデルガン

本稿のレポート、写真は全て「404」さんのご提供です。

仕 様
備 考
カテゴリー
金属製モデルガン
ダミーカート
全 長
1,092mm
銃身長
610mm
重 量
3,600g(?)
実測3,230g
マガジン
クリップ式
装弾数
8発
ストック
ナトウ材
ウレタン仕上げ
作 動
手動

ガランドの重厚な雰囲気を上手く再現しており細部まで良く出来ています。正に「ガランド」です。このモデルガンを手にしていると、クリップの飛び出す音が聞こえてきそうです。

でも「?」な部分もあります。先ず、手に持った時の「重量感の無さ」。その軽さに愕然となりました。計測してみると、銃本体で3,230g。これはいただけません。宣伝値3,600gに遠く及びません。ハドソンさん、広告修正してくださいね・・・。

もう1つ気になったことは、ストックが柔らかすぎて、すぐ「へこむ」ことです。これも硬い木材に変更していただきたいものです。

その他は、これと言った不満点もなく、「重量上積み改修」でさらに良い雰囲気になりました。このガランドは、実銃構造も可能な限り再現しており、ロータリーボルトや装填機構などもメカメカしく、「いじって良し、飾って良し」で、買って損はありません。

 

 

大量生産されたオートマチック・ライフル
 

意外とカッコよいです。

太平洋戦争での宿敵同士

実銃でしたら「じさまたち」の記念写真ですね。
 

カメラを固定し床尾で揃えました。

MGならではの再現度です。
 

ガス圧利用閉鎖解除機構の要「ピストン」です。銃身より長いです。
 

ガランドの形状を非常に上手く再現しています。
 

セイフ

ファイヤ
 

ロータリー・ボルト、と装弾機構を再現しています。
 

リアサイトも大変良く再現されています。
 

レシーバーの刻印

ここから分解です。先ず撃鉄を起こしておきます。トリガー・ガードを後ろに引いて下げます。

つめが華奢です。

トリガー・ガードを「ぐい」っと下げると、引き金室が丸ごと外れます。
 

銃主部との接合は「トリガー・ガード」のポッチのみです。モデルガンは強度が無いので、頻繁に分解はしないほうがよいです。

ストックと銃主部を分解する準備です。まずガスシリンダーを外さなければなりません。

左写真のシリンダー・ロックを外し、バレルロックを緩めます。

実銃どおり。

ガランドのストックは「知恵の輪的」です。アメリカ人はこういう構造が好きみたいです。合理的なのか間抜けなのか分かりません。まずフロント・ハンドガードを前方にずらします。
 

空いた空間を利用しリアハンド・ガードを前方にずらします。

これで銃主部とストックが分離できます。この構造を見て「持てる国アメリカ」を垣間見ました。前線においてハンドガードが破損しても「交換部品はいつでも手に入る」と言うことなのでしょうね。当時日本の銃器はどうだったでしょうか。

リアハンド・ガードをレシーバーから分離します、先ず溝の最先端にバンドが来るようにします。

写真のバンド端を持ち上げます。それで溝から外せます。

ここまで簡単に分解できます。
 

ガランドはこのような形状をしています。
 

閉鎖解除機構と装弾機構を分解します。

左写真の「赤矢印」のリコイルSPガイドを前方にずらし開放します。

なが〜いスプリングが出てきます。するとオペレーティング・ロッドも自由になります。

ピンを外せば装弾機構が分離できます。
 

装弾機構の部品構成、これにフロアASSYが加わります。

オペレーティング・ロッドとボルトを分離します。示唆位置の溝を利用します。

ロッドをココまでスライドさせると溝から外せます。同時にボルトも開放します。
 

自由になったボルトは前方から引き抜きます。

ボルトです。

回転式閉鎖機構です。

撃針は法により外辺に追いやられました。ダミーモールドでも良い気がします。
 

亜鉛合金のボルトでよくココまで再現&強度を出せたと感心します。

ここからリア・サイトの分解です。

ビスを緩めます。次に左右の調整スクリュウを分離します。

「赤矢印」で示す部分に小さな-ドライバーをあててリアサイト・カバーを解放します。

これでリアサイトが分解できます。
 

ビスが・・・

レシーバー裏です。

右上のビスは露出し常に見えてしまっています。これ愚作です。
 

チャンバーは数箇所のビス固定です。

これはバレル固定用、バレルはアルミ製で凄く軽いです。

チャンバーはそこに収まります。

これをみて「ハドソンらしいな!」と思いました。でもこれは全く無問題。

ここから引き金室の分解です。
 

2本のピンを外すだけです。

セフティーレバーです。

このガランドは確実にセフティがかかります。

トリガー、シアです。たったこれだけでディスコネクトも機能するとは驚きです。

トリガー・ガードはこの位置でひねるように外します。知恵の輪・・・
 


木部彫下げ砂鉄をエポキシ接着剤で練りこみました。



砂鉄だけでは足りなかったので、更に鉛球を追加しました。合計で700gも仕込みました。

改修後
銃本体のみ3960g
 

改修後
銃本体+付属ダミーカート8発で4130g

左から(全てダミーカート)
30-06 弾 (ハドソン付属品)

8mm モーゼル弾(7.92mm) (米製)
7.92mm モーゼル弾 (ショウエイ製)
7.62mm クルツ弾 (ショウエイ製)

7.7mm 弾 (米製)
6.5mm 弾 (米製)

7.62mm NATO弾 (米製)

 
 

 

 

<Kによるコメント>

現状、モデルガンのガーランドって、このハドソン製しかない。まぁ、エアガンの方でもマルシン製だけしかないから状況は同じ(煙製は対象外)。それだけマイナーと言うことだろうか。おかしいよね、映画じゃ主役級だし、メディアへの露出も一番多いと思う(大戦限定)。もっとこの銃を、各社で出して欲しいな。

この銃の大きな魅力のひとつが「独特のメカ」だろう。ガスオペレーティングによる、ボルト回転閉鎖・開放式、セミオートライフル。今の時代から見れば、突出して優れているところや、先進的なところはない。が、当時の科学力・技術力を考えると、驚異。ガスオペレーティングによる、ボルト回転閉鎖・開放式、オートなんて既に発明・実用化されていて珍しくはない時代だったが、「一般兵士の個人携行兵器」として、ここまで軽量かつコンパクトにまとめたのはすごい。「独逸開発のFG42の方がすごい!」って? そうか?武器って質だけでなく数も重要。製造行程から、職人技に頼る部分を極力廃して生産性上げる、ということも重要。いや、戦争ではこっちの方が重要でしょう。技術力の粋を凝らしたTigerIIやPantherII。性能的に比較にならないT34やシャーマン。勝ったのはどっち?所詮戦争は物量。・・・なーんて説明はそこら中で見かけるが、これってガーランドに失礼。いかにも「劣る性能を量でカバーした」ように見えてしまう。違うよ。性能がよくて量が多い、これが米軍の恐ろしいところだ。

さて、俺もPPSh41・・・久々のハドソン製を買ったとき、正直不安があった。「あの」ハドソンだからだ。ガス漏れのハドソン、手抜きのハドソン、つじつま合わせのハドソン、何か抜けてるハドソン。ハドソンには申し訳ないが、そんなイメージが俺の中にはあった。M3グリースガン(ガスブロ)はその典型だった。射撃性能はそこそこよくて、撃ってて楽しい銃だが、なぜ樹脂部品を多用する?総重量の大半がマガジンって、あんた、orz。スリングスイベルまで本体へ接着の樹脂って、あんた、orz。だから、PPSh41には不安があった。が、実際には大満足。モデルガンならではのフェイク部分は当然あるが、全て問題なし。なんだハドソン、やればできるじゃないか。先生、オマエのこと信じてたぞ。

今回404氏に頂いたこの情報も、まったく同じ「よい意味で裏切られた」気分だ。各部の様子や内部構造など、十分に合格レベル。ガーランド独特の構造を、法の枠組みの中で、しっかり再現しているようだ。

マルシン製ガスブロは、トリガー周りは実物に準じている。が、給弾周りは別物で、ダミーカートも入れられない。シャコンッ!と飛び出すクリップも、専用品で本物は使えない。煙製のガス固定セミオートは、ダミーカート入れたり、本物のクリップをティーン!ととばしたりもできたが、トリガー周りも給弾周りもまったく別物だった。

本物とほぼ同じ構造のハドソン製モデルガンでリアリティーを追求するか。
ガスブロで作動するマルシン製ガスブロガンで躍動感を追求するか。
絶版煙製セミオート固定ガスガンで指を鍛えるか(藁)。

やっぱ、両方とも欲しいな。(煙は除外)

404さん、いつもありがとうございます。これからも、すばらしいレポートをお願いします。