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てっぽうのページ

てっぽうのことが載ってるよ。 サッカーとか液晶テレビとかの話題は他へ行ってくれよな。

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九七式手榴弾、九九式手榴弾

 

 

有坂製:ガレージキット

手榴弾。正しい読み方は「てりゅうだん」だろうか、「しゅりゅうだん」だろうか。ハンドグレネードは英語だが、今は関係ない。

昔から手榴弾のイメージは「敵の中心に投げると、一気に敵を全滅させることができる」というものだ(当社比)。・・・よほど三流映画観たんだな俺w ひどい映画になると、体重60kg以上の大人の男たちが数m吹き飛ばされる。あのね、155mmの榴弾とは違うんだけどw 手榴弾の殺傷力は、破片に依存する。鋭い破片が全周に渡って飛び散り、敵の戦闘力を奪う。大口径の砲弾(榴弾)のように「吹き飛ばす」能力は、基本的にない。ところが三流映画になると、主人公の切り札となり、場合によっては軽装甲車両をも吹き飛ばして横転させる(乱暴3とか)。

誤った認識についてはどうでもいいのだが、問題は「破片が吹き飛び」の部分だ。痛そうだ。自分にとって破片のイメージは割れたガラスだ。ガラスで切った傷は、非常に痛い。自分、ガラスのケガにはトラウマがあって、割れたガラスを見ると身がすくむ。死・大変の1作目で、裸足の主人公がガラス片の中を走るシーンを観て、卒倒しそうになった。しかもその後、足の裏に刺さったガラス片を主人公が素手でほじくり出しているシーンでは、画面が直視できなかった。かように、自分は「破片による負傷」に弱い。第一次世界大戦の折、死傷者のケガは銃弾によるものよりも、砲弾の破片によるものの方が多かったという話を聞いたことがある(ソース不明につき眉につばつけて)。十二猿のワンシーンでも、砲撃によって吹き飛び、負傷した兵士のシーンがあり、迫力があった。「地獄の塹壕戦」という言葉があるが、まさしく地獄だと思った。

どんな原因にせよ、死ぬことはイヤである。が、死に方を選ばなければならなくなったら、自分は少なくとも「破片」「刀、刃物」は避けたい。それほど「切り裂かれて死ぬ」のはイヤだ。

だから、「大量致死性破片製造器」である手榴弾は、怖い。5mm火薬キャップ装填して音が出せるおもちゃとか、LSのプラモとかで手榴弾は持っている。が、いつも手榴弾(のおもちゃ)をてにすると、「高速で大量に飛び散る致死性の破片」のイメージが頭から離れず、どことなく身体が「痛く」なってくる。自分、てっぽう(のおもちゃ)は幼少の頃からの馴染みなので、痛さを感じる部分は麻痺している。が、手榴弾と刃物(模造刀や銃剣等)に対しては、一般人(?)並の恐怖感を未だ保持しているように思う。この感覚は、なくしたくない。ヨーロッパへ旅行に行ったとき、警察や警備者(兵士含)が持つ本物の銃を観ても、全然恐怖心はなかった(てっぽうに耐性のない家内は、ものすごく怖がっていた)。それよりも自分は、会社の炊事場にある包丁の方が怖い。まぁ、身近だと言うこともあるが・・・。

さて、前置きが長くなったが、年取った証拠としてスルーしてくれ。今回のこの九七式手榴弾と九九式手榴弾は、有坂さんから頂いた一品だ。本物(合法処理済み)から型どりしたキャストモデルで、地肌の雰囲気まで超似ているすごいヤツだ。ヒューズ部キャップの薄さまで再現され、迫力モノである。

九七式手榴弾の方は、中身までキャストのムクなので、非常に重く、持った感じがリアルだ。九九式手榴弾の方は、本物と同じく中が空洞で、リアル。両方ともヒューズ部は再現されていて、中にある撃針もバッチリだ。

アリサカさんは、以前このモデルをヤフオク等で販売されていた。もう最近は製造されていないようで、今回在庫の残りを頂いた。あまりのリアルさに驚き、しばし「手榴弾の怖さ」を忘れ、その握り心地の良さに酔った。製造・販売に関してもしお問い合わせがあるなら、私宛伝えて欲しい。アリサカさんが、再生産をされる気になられるかどうかは、保証の限りではないのでご注意。

今まで旧帝国軍手榴弾の構造を知らなかったが、これを機会に勉強した。米軍形式は、撃鉄が拳銃のハンマーのような回転式で、クリップが外れると撃鉄がバネの力で撃針を打つ。常に撃鉄はコックされた状態というわけだ。日本式は、米軍式と比べて「撃鉄」がない。バネで撃針がプライマーから離されている状態のみだ。発火のためには、手榴弾先端の撃針を「強く打つ」必要がある。よく映画とかで見かける「鉄兜にコツン!と先端をぶつけて」は、この発火動作な訳だ。「常に激発可能状態」である米軍式は、「ピンが外れれば、即激発可能」なので、トラップ等でよく利用される(と言うメディアシーンが多い)。が、日本形式では、ピンが外れただけでは何も起こらない・・・トラップで使えない。というか、「堅いところへ撃針を打ち付ける必要がある」わけだから、「堅い部分がない状況では?」「手榴弾爆発まで静寂の必要がある状況では?」という疑問というか心配が起きてくる。まぁ、俺が心配してもどうと言うことはないのだが。米軍形式だと日本軍形式に比べ「撃鉄」「クリップ」が余計に必要なわけで、物資の乏しい日本としては、より省資源な方法を選択したとか?ほかにも安全性や製造性(工数の削減)とかもあった?

この手榴弾を大量に装備し、百式機関短銃や十四年式や軍刀を手に飛行場へ突入を敢行した「彼ら」に思いを馳せながら、白い地のままの2個を、どうやって塗装しようか考えることにする。