タナカ製：モデルガン
この世界に生きる者で、その存在を知らぬ者はいない「武器庫」。このホームページでこの銃を知った。つまり、大戦中の銃を集めるとか何とか言っておきながら、無知蒙昧の輩だ、俺は。
ポイントはマズル。銃剣？確かに魅力的ではあるが、俺はこのマズルが好きである。銃剣の根本を支えるために、大げさにも見えるほど補強された銃口周辺の大型金具。この金具からちょこんと顔を出している銃口、最高じゃないか、えぇ？
その右側に見える双銃用のJ字金具も素敵。俺は、この銃に一番「帝国陸軍」を感じる。満州を感じる。
スパイク式銃剣は主にヨーロッパだと思ったが、朋友の独逸はスパイクじゃない。伝統的にスパイクにこだわるのは英国だが、海軍じゃあるまいし。この銃とAKの混血が56式か？・・・つまらんこと言ってスマン。
オクで見つけた。この銃の上物の平均が100K程度。この個体は程度が悪かったので、49Kで買うことが出来た。非常にうれしい。難点は、「ロワバンドが崩壊」「銃剣ストッパーのボタン（ネジ）がない」「マズル周りの大型金具がガタガタ」「ボルト操作重杉」「アッパーフレームとロワーフレームが密着しない」「リアサイトがない」の6点。
まず、銃剣ストッパーのボタンは適当なバネとネジを組み合わせて臨時補修。写真で銀色に写っている。将来、プラキャストで成形して補修する。
マズル周りの大型金具のガタは、内側の木部にネジを打って空間を埋めて終了。ガタは全くなくなった。
ボルト操作は調整不足、つか、設計ミス。ボルトとチャンバーのかみ合わせがめちゃくちゃ。一応操作できるし鑑賞用なので、いじらないことにした。
アッパーフレームとロワーフレームが密着しない件は、ロワーレシーバー（マガジン部分）が長すぎ、これも設計ミス。グラインダーで削ってぴったり密着するようにした。
リアサイトは、KTW三八式のリアサイト（プラ）を先日金属製に交換したので、余ったKTWのヤツを短く切って接着してハイ終わり。観賞用だからこれで十分。
ロワバンド、これはどうしようもない。元々、こんな部分を亜鉛で作るヤツが悪い、ね？タナカさん。九九式のホンモノロワバンドがあるが、全然形もサイズも違い、成形で合わせるのは無理（
銃剣の先端部が格納時に当たる部分はへこんでいるから）。仕方なく、写真のように臨時補修した。どうやったか分かる？カッティングシート。テープだな、一般には。フロント部分は大型金具、リア部分はリアサイトに支えられているので、フロントハンドガードはロワバンドが無くても固定されている。無しでも良かったが、やっぱそれじゃ変なので、一応こうした。ぱっと見じゃわからないでしょ？いずれ（退職後？）、真鍮板で自作したい。
タナカはこの銃をかなり手抜きで出したと思う。その一番残念な部分が銃床板にあるはずのクリーニングロッド格納部。格納部のふたの開閉レバーは銃床右にあるのに、ふたがない。これはかなり残念。
なにはともあれ、俺にとって最も日本軍と大陸を感じさせてくれる銃。
＜2006年10月8日追加：陽光下での写真追加、ブルーバックの写真＞
＜2007年2月22日追加：ロワバンド (by COLONEL-J)の装着、イエローバックの写真＞
俺の完全無欠最強の四四式騎兵銃は、しかしながらロワバンドがテープという弱点を隠している。大した弱点ではないのだが、それは「大した事ではない」と自己暗示をかけているだけで、実はもの凄く気になっていて夜は寝られないわ、メシは喉を通らないわ、仕事に行く気にもならないという重要事項なのである。真鍮板ぶった切って曲げて自作しようと考えてはいるが、自分の工作スキルと根性を考えると、それは単なる暴挙でしかない。だから結論として「大したことないという自己暗示」しかないわけだ。
そんなある日、ヤフオクでこいつ↓を見かけた。このCOLONEL-Jさんという方は大したお方で、ロワバンドが崩壊している四四式騎兵銃を所有するオーナーの気持ちを、実によく理解されている。「もの凄く気になっていて夜は寝られないわ、メシは喉を通らないわ、仕事に行く気にもならない」という全国七千万人のロワバンドが崩壊している四四式騎兵銃オーナーの現状を把握し、「このままじゃいけない！！このままじゃ日本が崩壊する！！」と立ち上がったわけだ。立ち上がったら便所へ行くかタバコ吸いに逝くしかない俺とは、エライ違いだ。COLONEL-Jさん、アンタはネ申だ！！
お値段は・・・絶版レア最強モデルガン用のレアパーツは、銃と同じ値段でも飛ぶように売れる世界だ。このCOLONEL-Jさん特製のロワバンドもその例に漏れず、俺の年収では足りなかった・・・わけはなく、「えっ！？マジ？」という程安かった。まだ試作段階で、仕上げ行程は落札者が行う必要があるという事情があるにせよ、安かった。いや、正確には、価格そのものは適性だと思うが、その仕上がりを「自作のワンオフ品」というレベルで見た場合、安い！！正直、仕上げ済みで２万円でも全然安いと思う。俺は今回、試作品を買ったけど、そうじゃなかったら仕上げ済み２万なら即買いだ。オクだからつり上がったとして、4万までなら速攻で支払う。金なければ、借金してでも手に入れる。「オマエ馬鹿か？たかがロワバンドに２万から４万？・・・バカだろ？」と思う人は、ロワバンドが崩壊した四四式騎兵銃を所有したことがないか、宇宙人か未来人だ。それほどまでに、四四式騎兵銃オーナーにとって「崩壊していないロワバンド」は貴重なものなのだ。
さて、今日送られてきたわけだが、梱包でまずビックリ。ロワバンド２個とスイベル１個。封筒で普通郵便でも送れるものなのだが、しっかりした箱に梱包材満載。「九九式艦爆の二十五番の直撃を受けても内容物は守られる」体制だ。それが極端なら、「チャレンジャー戦車が踏んづけても壊れない」と言い直そうか？ これだけ厳重に梱包してくれるCOLONEL-Jさん、アンタっていい人だ。隠しても無駄だ。梱包には人柄が現れる。アンタは正直で信頼できる人だ。
中から出てきたのは、ロワバンドが２個とスイベル１個。上でも書いたように、試作品ということで、「どっちがいいかなぁ？」という「製作協力」的な要素も今回の取引にはあるため、灰バージョン（金属メッシュ入り強化型）と白バージョン（樹脂ムク、パテで修正済み）の２個だ。本物から型どりしたクローンだ。スイベルはタナカ製のクローンだ。
表面仕上げ等はこれからの状態なのだが、それほど極端な修正は不要。これはガレキレベルではなく、インジェクションキット（プラモデル）レベルだ。表面がでこぼこ？・・・そんなんを気にする人間は、ロワバンドが崩壊したままで我慢しなさい。あるいは、最初から自分で作ってみなさい！！罰が当たりますよ！！こうしたパーツの最大の問題は、全体のディテールである。ところがこれが完璧なんだよね。形状として難しい下側の銃剣が収まる部分なんか見ると良く分かるんだが、完璧な造形！！さらに、手にしたときのしっかり感、手でそっとひねったときの剛性感。「装着したら、ここをぶつけたりしないように気をつけよう」と、手にする前には思っていたのだが、そのような配慮は不要。これだけの剛性があれば、サバゲにも投入可能でしょう（しませんが）。
さすがにスリングの荷重には耐えないでしょうが、お座敷なら全然問題なし。
灰バージョンの方は、まったく抵抗感無く装着終了、しかもガタ無し。白の方はちょっと抵抗があったが、これも装着してしまえばガタ皆無。COLONEL-Jさんの四四式では、その逆だったようだから、木ストの個体差だと思われる。とにかく、「装着のための修正」は一切必要なし。
詳細は写真見てくれ。表面仕上げとスイベルの取り付けがまだだが、近いうちに完了する。スリングの装着も可能だろうが、樹脂製スイベルでは不安だし、金属製自作して装着しても、今度は取り付け部（ロワバンド）の強度が不安だ。だから、スイベルに力が加わらないスリングの装着方法を考えている。お座敷の観賞用だから、まったく問題はない。慣性の様子は近々載せるのでwktkして待っててくれ。
「バカヤロー！！おれも欲しいぞ！！」という人は、ヤフオクをこまめにチェックしてくれ。どうしても見つからない場合は、俺宛にメールくれ。俺がCOLONEL-Jさんに打診するから。ただな、手作りのワンオフだし、「観賞用の樹脂製」ということは念頭に置いてほしい。「スリングつけたら割れたぞ！」「本物と違って軽すぎるじゃないか！」のようなバカクレーム入れる人は遠慮していただいた方がイイと思う。せっかく「ロワバンドが崩壊して日夜泣き崩れている全国八千万人の四四式オーナーのために、ひとつずつ手作りで奉仕したい！」と立ち上がってくださったCOLONEL-Jさんに失礼だ。そういうことでよろしく。
＜2007年2月23日追加：銃剣固定ラグの破損について＞
銃剣を固定する部分が折れた。つか、折られた件について。詳細はこちらへ。
＜2007年2月24日追加：ロワバンド装着：ピンクバックの写真＞
ロワバンドを仕上げて装着した。パテ盛って削って磨いて穴開けてスイベル通して塗装した。難しいところはなかった。さすがにスリングを取り付けられるほどの強度はない。が、今までテープで我慢していたことを思うと、ロワバンドが装着された四四式騎兵銃は何と凛々しいことか。銃剣は格納してもブラブラするので、着剣状態（銃剣を出して固定した状態）で保管することにした。これはこれでカッチョイイ。
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