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てっぽうのページ

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三八式歩兵銃

 

 

自作

本稿のレポート、写真は全て「男たちのトマト」さんのご提供です。

これが、自作三八式歩兵銃であります。KTWの三八式遊底覆に感化されて緑色です。ちなみにオレンジのチョッキを着ているのはボクの弟君であります。

 

<2007年11月30日追記>

三八式歩兵銃製作記

 この銃を作ったのは、私が中学三年生のときである。その年は2005年、1905年に三八式が正式採用されて、ちょうど100周年の年であった。私が所属していたのは社会科部というクラブで、決して技術系のクラブではない。しかし、このクラブは伝統的に「何かをつくる」ということが盛んであった。先ず第一に「弓矢」であった。ひとつ上の先輩方は「原始時代を――」みたいなことで弓矢を作っていた。とにかく、社会的な理由さえ作ればなんでもできるクラブだったのである。
 私は社会科部に技術改革をもたらした。それはまるで江戸時代から明治時代に切り替わったような変貌振りであった。まず、第一に弓矢の改良。私の家は農家だったので竹を持ち寄り強力かつ高精度の弓矢を作り出すことができた。いくつかの矢の先端には重量調節のために鉄をグラインダーで削った鏃を装着していた。文化祭の時にはその弓矢で試射コーナーを作り一躍有名となった。
 二年生のとき、火縄銃を作った。古本屋で見つけたバックナンバーのアームズを広げながらの作業であった。しかし、技術力不足というか、手抜きというか完成したものの満足な作品とはならなかった。
 三年になり、ちょうど三八式百周年だということもあり、三八式歩兵銃を製作することを決定した。先ず、資料を集めた。25番の写真はもちろん、アームズのバックナンバーを漁り、KTWの三八式の記事を探し当てた。三八式の写真のために1800円もする本も買った。そして、写真に定規を当て電卓を打って寸法を算出し、模造紙に実物大の図面を引いた。図面引きが終わると材料の買出しをした。先ず、銃床となる木材(1500×300、厚さ40)や銃身となる13ミリの鉄管、パテや塩ビ管などを買った。そして、製作に入った。
 銃床は実物通り二分割式とした。けがき後、大まかにのこを引いた。曲線はジグソーで。型どおりに切り終わると今度は技術の先生に頼んで銃床の幅を32ミリに削り実物に近づけた。今度は角を取り、丸みをつけるためにカンナや木工やすりを使い実物のようになるまで削った。それと平行して、機関部や銃身が入る部分をノミでくりぬいた。久しぶりで時間がかかったものの何とかこなした。
 銃身は機関部は塩ビパイプと鉄パイプで作った。それにパテを盛り形を整えた。ボルトハンドルはアルミの棒と木製の球から作った。機関部をつくっているときふと思った。「三八式でよかったなあ」と、マウザーやエンフィールドとかはボルトやレシーバの形状が複雑である。しかし、三八式は円筒形なのだ。楽にも程があった。遊底覆を再現したのでエジェクトポートも作らなくて良かった。三八式歩兵銃さま万々歳である。
 一番苦労したのは、リアサイトの照尺、トリガーガード、ストックのリアバンドである。特に照尺板とトリガーガードは困難を極めた。しかし、薄い木の板から照尺板を削りだし、トリガーガードはABS板とパテで何とか完成した。
 塗装は機関部を黒のラッカースプレーで、木部をオイルステインで塗装した。そして、最後に組み立てであった。くりぬいた銃床に機関部+銃身をはめ上から木被を装着し、リアバンドで固定した。トリガーガードもほぼ設計どうり装着できた。

 稼動部分は唯一、照尺板が起きるのみである。しかし、私には十分な満足であった。スマートで長身、まるでそのとき好きだった女子の様でもあった。唯一明らかに変なのは、肉厚1ミリ程度の13ミリ鉄パイプをそのまま使ったため、口径が村田銃なみであったということである。

 

 

 

<Kのコメント>

(ノ∀`)アチャー、やっちゃったな。若気の至りだな、と「文化祭発表自作三八式」ということばを目にしたとき思った、正直なところ。でもな、写真いただいてびっくり!!立派なもんじゃないですか!!三八式の特徴を見事に捉えていて、雰囲気抜群。おじさん、素直に謝ります「ごめんなさい」。お詫びの意味を込めて、頂き物ではなくて「てっぽのコーナー」へ入れさせていただきます。

「最近の若者(中高生)は、何でも金で手にはいるから、自分で作るってことをしない!!まったく!!」という高齢者のつぶやきを聞いたことがあるが、大丈夫。ここにこんな立派な三八式を自作してしまうスーパー高校生がいる!!日本も、まだまだ捨てたもんじゃないぞ!?

確かに、タナカやKTWや無可動なんかが手元にある人たちからは、細部でツッコミが入るかも知れない。でもね、そんな出来が問題なんじゃなくて、ハート。心。それが問題。この三八式には熱い心がこもってる。三八式への愛がある。こなたもこれ見たら絶賛だと思う。三十年式銃剣まであって、半端な愛じゃないよな。

男たちのトマトさん、ありがとうございました。これからもガンガン逝っちゃってください。期待しています。

(関係ないけど、3枚目の写真に映っているおにいさんがぶら下げているカメラが気になるのは、俺だけだろうか・・・)